キンコン西野亮廣、15億円プロジェクトの勝算「美術館造りは本気のシムシティ」
絵本作家、サロンオーナーなど多方面に渡る活躍で、これまでの芸人の枠に収まらない地位を確立した、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さん。
これまでに出した絵本5冊と、ビジネス本3冊はすべてベストセラーという作家としての顔も持ち、最新刊『新世界』(KADOKAWA)では初版の発行部数が10万部(12月6日時点13万5000部)と出版業界において異例の対応がとられました。
前編は話題のオンラインサロンについて、後編ではそこから派生した様々なプロジェクトについて伺います。
壮大な「えんとつ町のプペル」の美術館計画
――西野さんが計画している「えんとつ町のプペル」の美術館、建設に15億円かかると言われてます。
西野亮廣(以下、西野):要は最終的に仕上げるにはそれくらいのお金が必要だという話で、最初の段階ではそこまで必要じゃないんですけど。
でも基本的に大変ですね(笑)。しかも僕が作りたいのは美術館だけじゃなくて、実はその周辺に街も造りたい。
――美術館だけじゃなくて街まで!
西野:街を創ろうと思ったら15億円どころの話じゃないし、お金以外にいろいろ整理しないといけないことも出てくる。
例えば近隣住民との方と交流を深めたり、場合によっては説明会も必要かもしれない。とても大変なんですけど、ゲームの「シムシティ」の本気版をやっているような感じで進めてます。
――街造りのプロセスもコンテンツ化していくのですか?
西野:そうですね。たぶん僕だったら「美術館の工事1日3000円で体験できます」って言われたら、絶対やります。3000円払って美術館に行って、1日トンチンカンチン作業して、夜になったら皆で楽しく飲みに行けるんだったら、絶対払うなと思ってて。そもそも美術館を造る機会ってないじゃないですか。
部外者にはいよいよ訳がわからない話ですが…
――たしかに。完成した美術館で、「あそこ、俺が造ったんだぜ」って自慢できたら素敵かも知れません。
西野:そうでしょう。あと、美術館なんですけど、あくまで絵本をテーマにしてるので、子供も楽しめるようにしたい。イメージとしてはアスレチックや、キッズパークに近いノリなんです。
だから例えばボールプールが必要になる。ボールプールを作るには、穴を掘らなきゃいけない。そこで、業者に頼んでショベルカーで掘ってもらうのが楽しいのか、それともサロンメンバー100人くらいでスコップ持って掘ったほうが楽しいのか、という話になってくる。
――後者のほうが楽しそうな気がします。
西野:この2択だったら絶対、スコップで掘ったほうが楽しい。だいたい普通に生きていたらプールサイズの穴掘る機会ってないじゃないですか(笑)。しかもみんなで。プールサイズの穴を掘らないまま死ぬのが大半の人の人生なんですよ。だったら、「皆で穴を掘れる」というチケットが1000円で売れるんじゃないかと。
――つまり、穴を掘るためにお金を払うと。
西野:これって部外者からしたら、いよいよ訳がわからない話だと思うんです。「なにアイツ、1000円払って穴掘ってるの?」って。
でも、100人で穴掘って「ああ、でかい穴掘れたな。よし、皆で飲みに行こうぜ!」ってなれば、その1日は多分メチャクチャ楽しいし、良い思い出になるだろうなと。僕が基準としてるのは「自分だったらお金を払うかどうか」ですね。