町田啓太、「いろんなことを経験した今だからこそ」語れる仕事への思い
『天の茶助』などの鬼才・SABU監督と劇団EXILEが組んだオリジナルムービー『jam』が公開中です。
場末の演歌歌手・ヒロシ(青柳翔)、刑務所帰りのテツオ(鈴木伸之)とともに、ストーリーをけん引していく、意識不明の恋人の回復を願うタケルを演じる町田啓太さん(28)。
今クールのドラマでも『中学聖日記』『PRINCE OF LEGEND』に出演中と、躍進中です。ここまで「やりたいことをやってきた」と話す町田さんに話を聞きました。
劇団EXILEとしての在り方を楽しんでもらえたら
――『jam』のタケル役では、どんな部分を新たに挑戦できましたか?
町田啓太(以下、町田):ただの善良な人間じゃない、行き過ぎた結果として生まれてくる、ちょっとした闇に見える部分のある青年を演じられました。そこが今回は新しかったと思います。『jam』に出演するより前から、こうした役もやりたいと思っていたので、これをきっかけにして挑戦の場をもっともっと増やしていけたらいいなと思っています。
――本作を実現させ、総出演した劇団EXILEが、エンタメ界にとってどんな刺激になったら嬉しいですか?
町田:まず劇団EXILE自体を知らない方も多いと思うので、今回、すごくいい機会をいただけたなと思っています。僕らは、劇団であって劇団ではなく、グループであってグループじゃない。特殊な集団ですが、新しい劇団の形として、好き嫌いせずに受け入れてもらえたら嬉しいです。僕らの芝居を見て楽しんでもらえるように頑張りたいと思っています。
今回は、もともと僕と青柳さんと鈴木の出演が決まっていたところから、HIROさんの「全員でやっちゃおうよ」という提案で実現しました。こうした機会をいただけて感謝しています。ほかの劇団と比べるのではなく、僕たちは僕たちなりの、劇団EXILEとしての在り方を楽しんでもらえたらと思っています。
通ってきた道筋の先にいまがある
――町田さんは、過去にケガで療養されていたり、いろいろな経験をされてきました。そうした時代について残っているのは、大変だったという記憶ですか?
町田:いろいろなこと、全部を思いましたよ。大変だったという思いもありますし、ポジティブに考えていたこともあります。全部の感情、考えが浮かんだと思います。
――そうしたなかで、この仕事を続けていきたいと支えになったのは?
町田:自分にはここしかないと思っていたので。それだけです。ただ、それもいろんなことを経験した今だから、そう思えているのかもしれないですね。もともと僕は、いろんなことに興味を持つ人間でした。早いうちに実家を出て、航空高等学校に行き、そこからまた全然違う大学(日本体育大学)に行って、そしてこの事務所に入りました。
そこからもダンスかと思えば役者をやったり。すべて違う道です。でもいろいろやってきて、僕が通ってきた道筋の先にいまやっているお芝居がある。いろんなことに興味を持つ人間だった僕が、お芝居なら、ここなら自分がおもしろいと思えるものがたくさんあるはずだと。だからこそ、今もやっているのだと思います。
――いくつも作品を経験されてきて、転機になった作品や影響を受けた監督、先輩はいますか?
町田:全部がそうです。それぞれの現場で。だからこの作品をという特別なものはありません。ただ事務所に入ったころにHIROさんもおっしゃっていたのですが、「人生1回だから」と。
僕もその通りだなと思って。人生1回だから、やるかやらないかとなったら、自分なら勇気を出してやってみたほうがいいと思っている。だからなんでもやってみています。