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毎晩、合コンやパーティーに参加する「意識高い系リーマン」の深刻な悩み

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「意識高い系パーティ」に参加してみたけど

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タワマンパーティ。可愛い子はいたが、その後の進展はナシ(画像は一部加工)

 そのパーティもイマイチなものだった。どうも参加者が「経営者の家でパーティーをすること」自体に陶酔しているような気がしてならなかった。他人で自分の価値を図っているようでは、自分から何か行動を起こすなんてことはできない気がする。

 結局、合コンで知り合った人もパーティで知り合った人も一度会ったきりで終わり。こんな調子で人に会い続けて一体何が楽しいのか。人間、一度会ったくらいで友達になんかなれるもんかよ……。

 と思った矢先、あることに気が付いた。私もそんな風に加倉井君たちを「意識高い系」と揶揄しているスタンスだったから、仲良くなれなかったのではないか。

 そんなことを考えていたある日、私は加倉井君に関する新情報をゲットしてしまった。なんでも、タワマンパーティのグループはネットワークビジネス(マルチ商法みたいなもの)関連の集まりで、合コンのときに使用したダイニングバーの店員たちも店のオーナーもこのグループの一員だったのだ。

意識高い系ビジネスマンならではの悩みとは?

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筆者に届いた意識高い系パーティの招待状

 加倉井君はグループが経営する店で合コンを開催することで、店からいくらかのキックバックを受け取っていた。おそらくあの会が終わった後、参加者の女性にネットワークビジネスへの勧誘メールでも送っていたのだろう。

「何もしないで月100万円の副収入!」そんな謳い文句がこの業界には流れているが、稼げるのはピラミッドの上の人間のみ。加倉井君のような末端の人間は、こういった合コンや集まりでこぼれた金をすすることしかできないのが現実のようだ。

 数日後、「パーティがあるので来ませんか?」という加倉井君に私は問い詰めた。すると加倉井君は事実を素直に認め、吐露し始めた。

「最初はこのグループにいれば自分も経営者になれるかもしれないと洗脳されていましたが、お金も時間もただただ奪われているということに気が付き、もう辞めようと思っているんです。

 合コンの幹事もパーティの幹事も本当はやりたくなかったんです。でも下っ端の私は断れるような立場ではないので、嫌々やりました。あのグループに入ったことで表面上の知り合いは増えましたが、同じ数だけ友達をなくしました」

 そして晴れてグループを脱退した加倉井君は「もう2度とあんなグループには入らないので本当の友達になりたいです」と私に頭を下げてくれた。

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こちらもパーティの招待状。甘い誘いには注意しよう

 本当にグループを抜けたかなど分からないし、今後飲み会や合コンに誘われたとしても、懲りずにキックバックをもらっている可能性もある。しかし、形はどうであれすでに加倉井君とは3回も顔を合わせ、しかも腹を割ってお互いに話をしている。

 言ってみれば加倉井君も被害者。結局のところ彼も時間と金と友人を吸い取られただけで得したことなど1つもないのだ。私の心には、なんのしがらみもキックバックもない純粋な飲み会に加倉井君を誘ってあげたいな、という気持ちが芽生え始めたのだった。

<取材・文・撮影/國友公司>

週刊誌記者・裏モノ系のフリーライターです。男の娘・ニューハーフが好きです。『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』発売中。ツイッターは@onkunion

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