ポケモンGOの開発は「エイプリルフールのジョーク」がきっかけだった
注目度は「Googleマップ」や「Google Earth」の3倍
2016年7月17日。キルデイ氏とハンケ氏は、東京・六本木で会食をしていました。来日した目的は、前日に行われた仮想空間での陣地を取るゲームアプリ「Ingress」をテーマにしたイベントのため。そして、もうひとつはポケモンの大流行を生んだ日本で、数日後に控える「ポケモンGO」のローンチ(サービスが開始されること)を見届けるためでした。
会話を交わす中で、「ポケモンGOのローンチのほうが、GoogleマップやGoogleアースのローンチよりも成功した可能性はあるだろうか?」とふと尋ねたキルデイ氏。それに対して、ハンケ氏は一番最初に一部の国で行なわれたローンチについて、「GOはGoogleマップとGoogleアースの3倍だったよ」と答えました。
実際、株価の面でも、同年7月6日(日本時間)にアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで先行してローンチされてから、わずか12日間で任天堂の時価総額が190億ドルから420億ドルへ急上昇。
2015年10月にナイアンティック社がGoogleからスピンアウトして以降、当初見積もっていた予想を上回り「ポケモンGOのダウンロード数と売上げはこれまでの最高記録を抜き、史上最も成長率の高いアプリとなった」とキルデイ氏は振り返ります。
世界的に知られる人気コンテンツと、地図情報サービスやARといった最先端の技術が融合して生まれた「ポケモンGO」。現在では、Nintendo Switchのゲーム『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ/Let’s Go! イーブイ』との連動により、さらなる拡がりをみせています。
キルデイ氏の著書では、2018年内にゲームアプリ「ハリー・ポッター:ウィザード・ユナイト」が配信されることも示唆されていますが、私たちをあっと驚かせてくれるプロダクトが今後も次々と生み出されていきそうです。
<TEXT/カネコシュウヘイ>