元カリスマホストが語る「相手をモチベートする最高の褒め方」
企業の営業研修で伝えるたったひとつのこと
――ホスト時代に得られたノウハウや培ったスキルが、現在の事業にも活かされていることはありますか。
井上:法人営業研修や企業の顧問をやらせていただいていますが、活かされることしかないですよ。
AIやロボットが台頭して代替されると言われるなかで、絶対になくならないものがあります。それが「あなたから買いたい」というところなんですよね。だから営業研修では「人に好かれる」ということだけを伝えています。
ホストは自分自身が商品で、自分を売ることをずっとやっています。戦略戦術は借りることができても、人柄は借りることはできない。同種の商品やサービスって、実はそんなに差がないじゃないですか。どうやって差を作るとしたら「あの人から買いたい!」という欲求を作るということですよね。
僕はこれからも事業を広げたいと思ってますけど、相手に「一緒に仕事をしたい」「一緒に何かやりたい」と思ってもらえるのは、間違いなくホストで培ってきた能力だと思ってます。
――ホストクラブ経営者として、多くの従業員をご覧になってきた思います。ホストのセカンドキャリアとして、どのような分野がありますか。
井上:自分の店で働いてた人間に関していうと、業界に残って店のオーナーになったり、この前も僕の婚活セミナーを手伝ってくれた子もいました。
ただ、アパレル業界に進んだり、WEBマーケティングの会社を立ち上げた人もいました。ラーメン屋もいれば整骨院もいたり、バラバラですよ。結局どんな仕事も人と関わることだから、自分を売り込む、好かれるという技術は活かせてるのかなって。今の彼らを見ていてそう思いますね。
<取材・文/石井通之 撮影/山口康仁>
【井上敬一】
一般社団法人 恋愛・結婚アカデミー協会代表理事。1975年生まれ。立命館大学を中退しホスト業界へ。ホストクラブグループ「SHION GROUP」オーナーを経て現在は企業で講演活動を中心に活動。主な著書に『シークレット婚活塾』など。「井上敬一オフィシャルサイト」も日々更新中