スバル、不正発覚で53万台リコール。辞めた社員が語る“不満”とは…
100年を超えるスバルの歴史
そもそもスバルとはどのような企業なのでしょうか?
スバルの歴史は古く、1917年5月、海軍軍人であった中島知久平により創設された航空機の研究所(1931年12月に「中島飛行機株式会社」と改称)まで遡ります。
その後、1953年にスバルの前身となる「富士重工業」が設立され、1960年3月に東証1部に上場。中島飛行機の創設から100周年にあたる2017年4月、「SUBARU」へと社名を変更し現在にいたります。
この社名変更の理由を当時の社長である吉永泰之氏(現会長)は、自社サイトにて「私たちがこれから『価値を提供するブランド』として生きていくという『決意表明』です」と述べています。
業績に関してスバルの公式サイトをみると、2018年3月期実績は3兆4052億円のうち、95%を自動車事業が占め、航空事業は4.2%、その他0.8%となっています。現在従業員数は、単独従業員数が1万5278人、連結従業員数が3万4450人にのぼり、平均年齢は38.4歳、平均年収は669万円です(Yahoo!ファイナンスによる)。
国税庁が発表している平成29年度版の民間給与実態統計調査によると、サラリーマンの平均年収は約432万円であることから、かなり高待遇であることがわかります。
福利厚生には満足。ただ給料には……
ところで、このスバルで働く社員の労働環境はどのようなものなのでしょうか?
年間2000万人が訪れる企業の口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」ユーザーの情報から、社員のリアルな声をまとめました。
「制度や福利厚生は手厚く、女性に対しての配慮もある。産休、育休も取得でき、仕事も配慮されるため男性と比べると女性は働きやすいのではないかと思う。ただし、工場や男性の多い職場の女性はやる気のある方が少ないようにも感じる。もちろん、女性である程度の役職の方も少なからずいる」(生産・製造技術/30代後半男性/正社員/2017年度)
女性の働きやすさを考えてきちんと取り組んでいる姿勢は素晴らしいことですね。一方で、給与に関するネガティブな声も……。
「会社の知名度は以前よりもかなり上がりましたが、社員の待遇や社員への還元が伴っていないと感じます。給料は業界の中でも下位に属すると思います。管理職は、金額が安いとぼやく方が多いので、給料面に関しては先々明るい気持ちになれません。業績が良い時のボーナスは、上乗せがあり、そこそこになりますが、上乗せがないボーナスは少ないです」(工業デザイナー/30代前半男性/正社員/2015年度)
同業他社に比べ給与が低いことに不満を感じる社員もいるようです。今回の不正発覚により、将来の不安を感じる社員もさらに多くなるのではないでしょうか。