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土下座させる、2時間説教…悪質クレーマーの「カスハラ」深刻な実態

ビジネス

政府も重要な問題との認識。対応を検討

 番組でインタビューを受けた関西大学の池内裕美教授は「過剰サービスが標準となってしまっている日本の社会の在り方に原因がある」と指摘。そのうえで「サービスをやるたびにどんどん消費者の期待が上がってしまい、やがて追いつかなくなって新たな不満につながる」と言います。

 冒頭で紹介した労働組合「UAゼンセン」は問題解決に向けて、今年8月に、176万5223筆の署名と要請書を加藤厚生労働大臣へ提出しました。

 それを受けて加藤大臣は、「働き方や職場環境に関連する重要な問題であると認識しており、実態把握に努め、対応していきたい」と回答しました。

 しかし、悪質なクレームと正当なクレームの線引きは見極めづらく、判断基準や罰則を設けることは難しいとの見方もあるようです。

鉄道業界、年間650件超の暴力行為にどう対応したか

「つい、カッとなった。人生、ガラッと変わった」

「つい、カッとなった。人生、ガラッと変わった」 ※画像は公式サイトより

「つい、カッとなった。人生、ガラッと変わった」という啓発ポスターを駅構内や電車内で目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 鉄道業界では、かねてから駅係員や乗務員に対する暴力行為が問題になっています。

 一般社団法人日本民営鉄道協会は、2018年7月9日の「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況について」のリリースでうした暴力行為が昨年1年で656件発生したと報告しています。

 また、啓発ポスターの掲出、警察官の巡回や警備員の配置、駅係員の研修などに取り組み、監視カメラの駅構内・車内への設置などの対策をしたところ、暴力行為が1年間で56件減少したと発表しています。同協会は、引き続き業界全体で結束して、暴力行為の撲滅に取り組んでいくとしています。

 業界全体がこうしたカスタマーハラスメントを許さないという毅然とした態度を示すことで、人々の意識が少しずつ変わっていくのではないでしょうか。

「カスハラ被害」に共感の声が多く集まる

「社会に余裕がなくなっているんだろうか。怒りの沸点が低い人が目立つようになった」
「何度か転職をしているが、行く先々の職場でカスハラをする客に遭遇しています」
「自分の身の回りにも起きていて、とても他人事とは思えません。早急に対策してくれることを望みます」

 SNS上では、カスタマーハラスメントの被害者になった当事者の人や、それを見聞きしたことがあるという人が多く見られ、身近な問題として捉えられていました。

 昨今では、人材不足が叫ばれており、こうした理不尽な要求を放置しておくことで人材が流出し、サービス全体の質が下がってしまう危険性があります。早急に対策が打たれることを望んでやみません。

<TEXT/湯浅肇>

写真をメインに数多くの時事ネタやマルチメディア関連の記事も執筆。常に斬新な切り口で情報発信を目指すアラサー男子

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