ギャル+電子工作+ランニング!? 原宿をギラギラ輝いて走ってみたら…
筆者も早速、電子工作を体験…!
筆者はファーに電球を入れる工作を体験したが、これがまた難しい。モフモフな毛束をかき分け、ファーの切れ目を探すだけでもひと苦労であったが、そんな光景を目にしたまおさんが「あ、そこでいいんです」とやさしく促してくれる。
この感覚がどこか懐かしいと思ったら、学生だった頃の自分も「そういえば、学研の科学で毎月送られてくる付録を一生懸命作ってたなぁ」と、しみじみと少年時代の記憶が蘇ってくるようだった。
会場に来ていた人にもお話を伺ってみたが、「娘がリケジョになるきっかけになれば」という理由から参加していたのは、10歳くらいの女の子を連れていたお父さんだ。ギャル電のイベントは初めてだったというが「キラキラしているので娘も喜んでいるみたいで。女の子ならではのアプローチで、面白いですよね」と感想を話してくれた。
また、ギャル電の猛烈なファンであるという50代の男性は「女性ならではのアプローチで、新しいアイデアをどんどん生み出してくれる」と2人を評価していた。じつはこの男性、情報工学系の学部で教壇に立つ大学教授で、子どもの頃から鉱石ラジオなどの電子工作を手がけてきた方。
当日はネオンがきらびやかに自前の輝くベストを着用した姿で参加していたが、「昨年、初めてお会いしたときは正直ヤンキーっぽいと思っていたけど、話してみたらしっかりしていてビックリ。電子工作を楽しみながら学べるようPRしてくださって、うれしいしありがたい」と熱い思いを語っていた。
外国人旅行者もノリノリでリアクション
ワークショップが終わり、ランニングイベントがスタート。各々が作ったネオンを輝かせた参加者たちは、夜の原宿へと飛び出した。それぞれ当日に貸与されたランニングウェアとシューズを身に付けていたのだが、予定していなかった筆者はデニムに単なるスニーカーという出で立ち。それでも、レポートをしなければという使命感と共に、他のみなさんと一緒に全長約3キロという道のりを走った。
週末で多くの人びと行き交う中、ラフォーレ前の交差点を右へ曲がり、代々木公園へと向かう。キラキラと輝くランニングウェア姿の集団と、これだけ聞いてもきわめてまれな光景であるのはしかりで、信号で立ち止まるたびに道行く人たちの視線が僕らの方へと向いていた。
やがて、代々木公園へ到着。フリースタイルラップに興じる若者たちを横目に、街灯が灯りつつも暗がりの目立つ園内をひたすらジョギングのペースで走り続ける。比較的年齢の近い30代前半の参加者と「ちょっと、日頃運動してないとやっぱり辛いっすね」なんて会話を交わしつつ走っていたところ、外国人旅行者にも遭遇。きらびやかに輝くランニング集団に「オー、イェー!」とハイタッチせんとばかりに声をかける彼らは、笑顔を浮かべてスマホで写真を撮っていた。
そして、原宿の街中にあるスポーツショップまで走り切り無事にゴール。最後はみんなで記念撮影をして、イベントが終了した。翌日に襲いかかるであろう激しい筋肉痛はさておき、貴重な電子工作にもふれられ、短い時間だったけど共に思い出を分かち合った人たちと味わった充実感。すがすがしさが体中を駆け巡るような、まさにマジ卍な体験だった。
<取材・文/カネコシュウヘイ 撮影/街田和由>
【ギャル電 @galden999】
2016年9月に結成した電子工作ユニット。「ギャルも電子工作する時代!」と打ち出し、電子工作の面白さを広めるため活動している。夢はドンキでアルドゥイーノが買える未来を迎えること