倉科カナ、実父と生き別れた娘役は「私自身の過去とも似た境遇」だ
芝居のあと共演者4人でそのまま飲んだ
――市原さんのほかにも高橋メアリージュンさん、やべきょうすけさんとの4人のシーンが本当に楽しそうでした。
倉科:みなさん、お芝居の実力はもちろん、人としても素晴らしい方たちです。現場も和気あいあいとして、仲良くなってからのシーンは特にやりやすかったです。
――4人が揃う居酒屋でのシーンは、さつきが本音を吐露する重要な場面で、ワンカットでしたね。
倉科:緊張感はありましたが、気持ち的にはカットを変えて何度もやるより、やりやすかったです。スタッフさんのほうが大変だったと思います。撮り終えたときには、みんなやりきった、いい芝居ができたといった感覚がありました。あの後、実際に4人であのまま飲んだんですよ。
――あそこでですか?
倉科:そうなんです。とても楽しかったです。
自分の負の部分を昇華できた
――出来上がった作品をご覧になって感じたことは?
倉科:とても感傷深かったというか。運命的な役柄で……。非常に複雑な心境でしたね。ただ自分の中の負の要素といえるものが、昇華できたというか。
負のエネルギーでも糧として、作品の一部にできるんだという思いと、何より作品として自信の持てるものができたと感じました。本当にたくさんの方に観ていただきたいと思える作品です。本当に。
――倉科さんご自身について伺わせてください。20代のころにやっておいてよかったと感じることはありますか?
倉科:デビューしたときから、女優としてやっていきたいという思いがもともとあったんです。その意志もマネージャーさんに伝えて、話し合って、行くべき方向を一緒に見ていたことが良かったと思います。