20代転職のエキスパートが語る、若い内に養っておくべき力
自分の許せることと許せないことを明確に
――20代の転職において成功基準はどのように決めれば良いのでしょうか?
秋庭:哲学的なことを言うつもりはないですが、結局転職も自分が幸せになるためにやっているわけじゃないですか。だから、自分にとって何が幸せで、何が良い人生なのかを決めないと成功かの判断がそもそもできないと思いますね。しっかり根っこの部分で持ってないと周りの意見に流されてしまう。そこで、惑わされない物差しを持っておくことが重要かと。
あとは、著書の中では「ゼブラ企業」と呼んでいましたが、完璧な会社なんてどこにもないんです。ポジティブな意味で「ここはダメだけど、ここは受け入れられる」って、自分の許せることと許せないことを明確にしておくことは重要ですね。
人を見る目だけは養っておくべき
――ここまでお話をお聞きして、いろいろなことを伺ったんですが、それでも悩んだ時、最後は何を信じれば良いんでしょうか?
秋庭:やっぱりその会社の社長や人事を本当に信じられるかってことだと思います。そう考えると、実は大学生までの人生って人を見る目を養うための期間なのかもしれません。飲み会や異業種交流会でも、単純に人と会った数じゃなくて、深いところまで踏み込めた人数のほうが大事なんじゃないかなと。
こう言ってしまうと、元も子もないですが、結局はその人がどういうふうに生きて、どういう力をつけてきたのかが重要だと思います。20代は、うまく生きようとするんじゃなくて、真剣に生きようとすることが大事なんだと思いますね。
<TEXT/日和下駄>
【秋庭洋】
人事コンサルティング企業の役員を経て2001年9月にブラッシュアップ・ジャパン株式会社を設立。20代向け転職支援サービス「いい就職ドットコム」「20代の転職相談所」など、若年層の雇用のミスマッチ解消に取り組んでいる。著書に『20代の転職成功者は何から始めたのか?』(「20代の転職相談所」名義)などがある