マージンとは?意味や業界ごとの使い方を解説【いまさら聞けないビジネス用語】

ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は業界によって異なる使われ方をする「マージン」について、「マージン率」や「マージンコール」といった用語も含めて紹介します。
目次
「マージン」とは主に「利益」や「手数料」を指す言葉
マージン(Margin)とは、「余白」や「余裕」を意味する言葉ですが、ビジネスシーンでは、利益や手数料という意味で使われるのが一般的です。ただし業界によって異なる意味合いになることもあるので、使用する際には注意が必要です。
業界ごとのマージンの意味
業界によって、マージンという言葉の意味が異なることがありますが、ここではそれぞれの意味について詳しく見ていきましょう。
商社・小売業界
物を仕入れて販売する商社や小売業界では、販売価格から仕入れ価格を差し引いた金額、つまり粗利益のことをマージンと呼びます。たとえば1,000円で仕入れた物を1,500円で販売した場合、その差額である500円がマージンということになります。
人材・不動産・広告業界
人材業界や不動産業界、広告業界など仲介ビジネスを行う業界では、「手数料」や「紹介料」のことをマージンといいます。人材業界では、派遣会社は企業から受け取る派遣料金の中から労働者の賃金を支払い、残りの部分がマージン(手数料)となるビジネスモデルです。
また、不動産業界では売主と買主、また賃主と借主の仲介を行い、契約が成立した時点で成功報酬として双方から仲介手数料(マージン)を受け取ります。広告業界では、代理店が広告制作会社と広告を出したい企業をつないで制作や管理を行い、企業から手数料(マージン)を受け取るという仕組みになっています。
証券業界
投資を行う業界では、取引のために預ける証拠金のことをマージンといいます。またマージンを使用した取引のことを「マージン取引」といい、この場合、証拠金を担保にこれよりも大きな額で投資の取引ができるようになります。
たとえば、100万円の株を購入する場合に自己資金20万円を証券会社にマージンとして預け、足りない分の80万円を証券会社から借りるということが可能になります。この場合株価が上がれば大きな利益を得られますが、株価が下がった場合はマージンが足りなくなり、自己資金を追加しなければならないなど、大きな損失のリスクもあります。
なお、口座の証拠金が一定の基準を下回った際に、追加の証拠金を入金するよう求められる通知のことを「マージンコール」といいます。
印刷・デザイン業界
印刷やデザイン業界においてのマージンは、利益などお金に関することではなく、「余白」という意味で使われます。紙の媒体を印刷して使用する場合、裁断する際に多少のズレが生じるケースも多く、印刷範囲の周囲にマージンを設けます。
またウェブサイトのデザインなどにおいても、見出しや各項目のバランスを取り、見やすくするために画像や文字の周囲にマージンを設けます。もちろん利益という意味で使われるケースもあるため、使われている場面によって意味を考える必要があるでしょう。
マージン率について
利益を意味する言葉としてマージンを使用する場合に、避けて通れないのが「マージン率」という言葉です。
たとえば小売業界などでのマージン率といえば、仕入れ価格に対する販売価格の利幅を示します。マージン率の計算は(販売価格-仕入れ価格)÷売上高×100で求めることができます。
具体的には5,000円で仕入れたものを1万円で販売した場合の計算式は(10,000-5,000)÷10,000×100となり、マージン率は50%という計算になります。
マージン率の計算方法や含まれる項目は、業界ごとに異なるため、シーンに合わせた計算方法を利用しましょう。
業界によって異なる意味を持つマージンという言葉を理解しよう!
マージンは多くの業界で利益などを示す言葉として使われますが、投資業界や印刷業界など一部の業界では異なる意味になることがあります。また同じ利益という意味でも、業界によってニュアンスが異なるケースもあるため、業界ごとの意味を理解して上手に使い分けることが大切です。