「センシティブ国」とは?米国エネルギー省による指定国リスト

韓国の複数のメディアで、米国エネルギー省が韓国を「センシティブ国(Sensitive Country)」リストに追加することを検討する動きがあると報じられました。「センシティブ国」とは、特定の理由から米国政府が特別な注意を払っている国々を指します。一体どのような国が「センシティブ国」に指定され、なぜ注意が必要なのかを解説します。
「センシティブ国」の定義
米国のエネルギーセキュリティや核セキュリティを担うエネルギー省(DOE:Department of Energy)の定義によると、センシティブ国とは、「政策上の理由により特別な配慮が必要な国」を指します。
国家安全保障、核不拡散、地域の不安定性、国家経済安全保障への脅威、テロ支援などの理由で、センシティブ国リストに掲載されることがあり、エネルギー省情報防諜事務所がリストを管理しています。
センシティブ国リストに含まれる国々
2025年3月11日時点で、DOEが公開している情報に基づくと、以下の国々がセンシティブ国リストに含まれています。
- アルジェリア
- アルメニア
- アゼルバイジャン
- ベラルーシ
- 中国
- キューバ
- ジョージア
- 香港
- インド
- イラン
- イラク
- イスラエル
- カザフスタン
- 北朝鮮
- キルギス
- リビア
- マカオ
- モルドバ
- パキスタン
- ロシア
- スーダン
- シリア
- 台湾
- タジキスタン
- トルクメニスタン
- ウクライナ
- ウズベキスタン
韓国が新たにセンシティブ国に指定される可能性
このセンシティブ国が注目されるのは、韓国を含む4カ国を新たにセンシティブ国に追加することを検討していると伝えられているからです。米国と同盟関係にある韓国が指定されるのは初めてであり、その背景には韓国国内で高まる核武装論があるともいわれています。
センシティブ国に指定されると、米国との協力関係、特に原子力やAIといった先端技術分野での交流が厳しく制限されたり、米国の研究機関や大学が、センシティブ国の研究者に対し、入国や研究活動への参加を制限する可能性があります。
センシティブ国リストは、米国の安全保障政策を反映したものであり、その指定は対象国との関係に大きな影響を与えます。韓国のセンシティブ国指定は、同盟国との間でも安全保障上の懸念が生じうることを示唆しており、今後の国際関係に注視が必要です。
[参考]
DOE Directives, Guidance, and Delegations
Sensitive Countries
[Exclusive] US classifies South Korea as ‘sensitive country,’ limiting cooperation on advanced tech