フィックス(FIX)とは?意味や業界ごとの使われ方も解説【いまさら聞けないビジネス用語】

ビジネスシーンにおいて、適切な言葉遣いは重要なスキルのひとつ。基本的なビジネス用語を理解していることは、コミュニケーションの円滑化に直結します。本記事では、いまさら人に聞けないけれど、知っておきたいビジネス用語をわかりやすく解説。それぞれの用語が持つ背景や使用されるシチュエーションを押さえておくことで、職場での会話やメールに自信を持てるようになります。今回は金融からITまで、さまざまな業界で使われる「フィックス(FIX)」について紹介します。
目次
フィックス(FIX)は確定や固定、修正の意味
フィックス(FIX)とは、英語の「fix」に由来し、一般的には「確定」「修正」「固定」などの意味合いで使用されます。決定事項のことを「フィックス事項」、確定版を「フィックス版」などと言い換えて使うケースが多いです。
またフィックスは仕様・スケジュール・コストの確定を意味するため、一度決定された事項は基本的に変更できないという特徴があります。つまりフィックス事項の内容は覆ることがなく、書類などについても決定稿であるということです。そのため、進めている案件や設計などについて「フィックスですか?」と確認すれば、最終的な決定が下されているかどうかを判断できます。
業界によって異なるフィックスの意味
ビジネスシーンで一般的に使われるフィックスは、前述したような意味ですが、実は業界によって異なる意味を持つ言葉でもあるのです。ここでは、使用する業界ごとのフィックスの意味を見ていきましょう。
IT業界
IT業界におけるフィックスは、サービスや製品の不具合を修理・修正して解決するという意味で使われます。たとえば、プログラムの不具合を修正した際には「バグフィックス」と表現されます。一般的に使われるフィックスとは異なる意味を持つため、使用する際は注意が必要です。
金融業界
金融業界で外国為替取引をする上での指標となるレートを確定する場合に、フィックスという言葉が使われることがあります。たとえば、ロンドン市場で基準レートを決定する時間や行為を「ロンドンフィキシング(ロンドンフィックス)」と呼びます。
また、金融取引に関連する電子的なやり取りの統一的なプラットフォームのことを「FIXプロトコル」といいます。ただし、こちらのFIXは「Financial Information Exchange」の略であり、今回紹介するフィックスとは異なるため注意が必要です。
建築・製造業
建築や製造業においては、一般的な使われ方と同じ「固定」「変更不可のもの」という状態を指す言葉ですが、具体的なモノに使われるのが異なる点です。たとえば、「FIX窓(フィックス窓)」といえば、開閉できない固定された窓(はめ殺し窓)のことを指します。
映像業界
映像業界でのフィックスといえば「固定撮影」のことを指します。カメラマンが手でカメラを持ち、被写体に合わせて動くのではなく、一定の位置に固定したカメラで撮影する手法のことです。イベントや講演会といった、記録用撮影や商品紹介の撮影などで使われることが多い手法でもあります。
航空業界
航空業界では「確定」「固定」という意味でフィックスが使われます。たとえば「フィックスチケット」といえば、航空券を予約した後に一切変更ができないチケットのことを指します。日程や経路、乗る便がすべて固定されており、それらの予定は一切変更できません。
スポーツ・ゲーム業界
スポーツやゲーム業界においては、試合の結果を操作すること、つまり八百長のことを「フィックストゲーム(fixed game)」、もしくは「フィックストマッチ(fixed match)」といいます。そのため、業界ではあまりいい言葉として捉えられません。
さまざまな意味を持つ「フィックス」を上手に使いこなそう!
一般的には「確定」や「固定」など、これ以上変更できない状態のことを意味するフィックスという言葉ですが、使用する業界によって異なる意味を持つ言葉でもあります。自分のいる業界で当たり前に使われている意味合いだと思ってほかの業界で使ってしまうと、認識の相違が生まれてしまう可能性もあるので注意が必要です。