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副業の平均的な労働時間は週10時間!「もうやらない」と思う人の理由とは?

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ネコの手も借りたい

副業をやる人もいれば、やらない人もいます。

やらない人の中には、一度も経験がない人もいれば、かつてやっていたけれど今はやっていない(もうやらない)人もいるはずです。

では、かつて副業をしていたけれど今はやらない(もうやろうとしない)人たちは、副業をなぜ再開しようとしないのでしょうか。

今回は、いくつかの調査結果を基に、副業をかつて経験したけれど再開しない人たちの理由を探ってみました。

「そこまで働きたくない」と思うくらい忙しい?

副業を今から始めようか迷っている人たちの中には、副業に関する前向きな話だけではなく後ろ向きな話、例えば「現実厳しいぜ」みたいな話を知りたがっている人も少なくないと思います。

例えば、かつて副業をやっていたけれど今はもうやっていない(もうやらない)人の言葉には、副業のネガティブな側面が色濃く表れると思いますが、いかがでしょうか。

株式会社リクルート(東京都千代田区)が発表した「兼業・副業に関する動向調査2022」には、副業・兼業を過去に経験しているものの今後再開の予定がない人たちに、再開しない理由を聞いた質問があります。

その結果は、次のとおりでした(複数回答可)。

1位・・・そこまで働きたくないから(34.3%)
2位・・・本業が忙しくて時間がないから(28.5%)
3位・・・休日などの休息時間が減少したから(27.2%)
4位・・・体力面や精神面に不安があるから(25.3%)
5位・・・本業との両立(時間管理)が難しいから(23.4%)

「そこまで働きたくない」という言葉からは、副業を開始した段階で、本業・副業の双方に追われる日々の忙しさが伝わってきます。

「忙しくて時間がない」「休息時間が減少」「両立が難しい」という他の回答も、時間と忙しさに関する回答ばかり。

さらに、その忙しい毎日をこなすだけの体力・精神力に不安を感じて、副業の再開を望まない人もいるとわかります。

副業を始めれば、プラスの側面も当然あるけれど、そのプラスとマイナスをてんびんに乗せて比べた時、副業を辞める(もう始めない)との判断に至る人も存在するようです。

1週間当たり10時間ほど働く時間が増える

では「忙しくなる」「休憩時間が減る」とは具体的に、何時間くらい忙しくなるのでしょうか。

少し古い調査ですが、パーソル総合研究所「副業の実態・意識調査」(2018年調査)によると、1週間当たりの平均総労働時間は、

副業者:54.81時間
非副業者:44.18時間

とされています。言い換えると、副業を始めれば、1週間のうちに10時間ほど余分に働く必要が出てくるという話です。

上述したリクルートの「兼業・副業に関する動向調査2022」によると、半数以上の副業者の副業契約期間は1カ月未満と短い傾向にあると分かります。

その限られた期間、1週間で10時間ほど、平日の稼働に限定すれば1日2時間ほど余分に働く

その作業時間と労力を、現在の毎日に当てはめてみて、現実的に可能かどうか・オーバーワークではないかどうかを判断してみると、リアリティをもって副業を検討できるかもしれませんね。

[文・坂本正敬]

[参考]
※ 兼業・副業に関する動向調査2022 – リクルート
※ 副業の実態・意識調査 – パーソル総合研究所

〈bizSPA!フレッシュ〉元編集長。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉創刊編集長。執筆者としては、国内外の媒体に日本語と英語で寄稿。翻訳家としては訳書もある。技能五輪国際大会における日本代表選手の通訳を直近では務める。プライベートでは、PTA広報誌の編集長も兼務しており、広報誌の全国大会では受賞経験もあり。

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