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【新宿・ゴールデン街の痛客】出禁になる条件ってなに?老舗で働く女性スタッフに聞いた

※画像はイメージです(以下同)
©︎Osugi / Shutterstock.com

ゴールデン街で「出禁」になることは珍しくない!?

「眠らない街」と呼ばれていることで有名な新宿・歌舞伎町。中でも歌舞伎町の一角にある「ゴールデン街」は200店舗以上の飲み屋が集まっている有名なエリアで、今では観光地にもなっているため、たくさんのお客で賑わっている。

店によっては多くのお客から支持されている大人気の女性キャストもおり、看板娘に会うために足しげく通うファンも少なくない。しかしお酒の席ということもあり、中には横柄な態度なお客やお客同士のトラブルなどが原因で“出禁”になってしまう人もいるそうだ。

そこで今回はゴールデン街の老舗である「シャドウ」「珍呑」で働くあおさんに、今まで経験した“痛客”について話を伺った。

24時間営業だからこそ様々な客層に?

ゴールデン街 看板

©︎Kristi Blokhin / Shutterstock.com

―現在お勤めになっている「シャドウ」「珍呑」で、痛客のような対応しづらいお客さんが来店されることはありますか?

「オブラートに包まずにお答えするならば、『頻繁にある』という回答になります。

というのも私が働いている店は1階に『シャドウ』、2階に『珍呑』があるのですが、どちらも24時間営業で、時間帯によってはいわゆる『治安が悪い』こともあります。

例えば深夜から朝方にかけてだと、酩酊した方が来店されることが多く、全員とは言わないですが、やや態度に問題があったり、周りのお客様に迷惑をかけたりする人が多いように感じます。

私は夕方~夜や深夜~朝方に働いていて、勤務している時間帯では多くの『痛客』の接客をしたことがあります。ただほとんどのお客様は優しい方ばかりですし、もし『行ってみたいけど、ちょっと怖い』と不安に思うのであれば、私のようなスタッフが迷惑な客の対応をするので、安心して飲みに来て欲しいなって思います」

まず飲み屋で24時間営業というスタイルなのが驚きだが、同店で2年以上も働くあおさんによれば「痛客の対応」は日常茶飯事とのこと。しかも一見さんではなく常連客の中でも、痛客になってしまう場合も少なくないそうだ。人はお酒を飲み過ぎてしまうと、人格までも変わってしまうのだろうか…。

常識が通用しない痛客の行動…

痛客

―今まで働いてきた中で、印象に残っている痛客について教えてください。

「まず思いつくのはSNS経由で連絡してくる人ですかね。

私は仕事とプライベート用のためにTwitterを利用しているのですが、急に匿名のアカウントでDMを送ってきて、見てみると、私の画像の顔だけ雑に切り抜いたものを使った卑猥なコラ画像が添付されていました。

後は来店した時にデートのお誘いを受けたのですが、丁重にお断りしたら、インスタのストーリーで私の名前を出しつつ『この人の時間には行かない方が良い』とネガキャン。他にも「さらっちまうぞ」というDMや、『悪いところがあったら直したいから教えて』と言われたので、素直に教えたら、逆ギレ…。

ちょっと違うパターンだと、政治的な議論をしたいらしく、洗い物など業務に集中して相槌程度に留めていたら、怒りだしたご年配の男性もいらっしゃいました。

中でも心底やめてほしいのがセクハラ行為ですね。以前店内で中年男性とすれ違う際におしりなどを触ってきて、注意しても知らないふりをしていました。すべて大の大人がしている行動とは思えないですよね…。

しかもこれは一例にしか過ぎなくて、すべての実例を挙げようとしたらキリがありません(笑)」

想像以上に素行が悪い「痛客」と言われる人たち。夜の街での接客とはいえ決して許されない行為の数々で、ゴールデン街事情を知らない人でもあおさんの苦労が嫌でも伝わってくるだろう。

出禁になる条件ってなに?

酔っ払い

―行き過ぎた行動は当然NGですが、気づかないうちに痛客にならないよう、注意するべきポイントがあれば教えてください。

「シンプルで、最もわかりやすくて適切な言葉があって、それが『人の振り見て我が振り直せ』です。

店内だけで楽しんで、お互いのプライベートには干渉しないことが大切です。やはりゴールデン街のお店は狭い空間なので、どうしても友達のような関係になったと錯覚しがちです。もちろん本当に友達の方もいますが、その段階になってもいないのに、距離感を間違えてずけずけと踏み込んでくるのはNGですね。

また前述した通り、SNSで絡んでくるのも控えた方がいいです。私用のDMではなく、『今、座れますか?』『○日は出勤してますか?』といったお店関連の連絡だけに留めておいて欲しいです」

―ちなみに「出禁」になる条件というのは決まっているのでしょうか?

「もちろん、店によってそれぞれになりますが、どこのお店でも共通して出禁になる行為はあります。

例えば『お金を払わない・他のお客様に迷惑をかける・喧嘩をする・店員に対して失礼すぎる態度や言動・注意しても聞き入れない・来店しては毎回寝ている』などがあげられますかね。

ただどれも常識で考えればわかることだとは思いますが、やっぱりお酒が入ってしまうと、それもわからなくなる人が多いです。こういった行動を控えようと考えるのも大切ですが、まずはご自身にあったお酒の量を守って欲しいです。『酒は飲んでも、飲まれるな』ですね(笑)」

働いている人の目線に立てば、見え方が変わるゴールデン街の客層事情。あおさんの勇姿を見るためにも、注意点を踏まえたうえで『シャドウ』や『珍呑』に訪れてみてはいかがだろうか。

<取材・文/田崎麻衣>

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【取材協力】
あお 生ハム子
あお(生ハム子)

大学卒業後、広告代理店勤務を経て、ゴールデン街勤務を天職だと自覚する傍ら、酒場と人間に翻弄される毎日の中でブログや記事など多岐に渡って執筆中。大学在学中に神奈川県大井町観光大使「ひょうたん娘」を務め、2021年、ミスiD2021クリエイティブヒロイン賞受賞。

Twitter:@nemutaiyonee
Instagram:@namahamustaglam
ブログ:http://kikurageoisii.hatenablog.com
note:http://note.com/achannooitoma

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