上司や後輩との関係を円滑にする、たった3つの「思考転換法」
②後輩を叱ってしまった時のストレスに
「フライ・オン・ザ・ウォール」(オハイオ大学・アメリカ)
また後輩をついつい怒ってしまい、そのことでストレスを感じる場合もあるだろう。そんなときに有効なのが、オハイオ大学の研究で実証された「フライ・オン・ザ・ウォール」というテクニックだ。
「学生に難しいパズルを解くように指示して、ことあるごとに叱りつけ怒りを煽りました。その際に、
①普通にパズルを解く
②今の状況を『壁に止まったハエ』の視点から客観的に眺めてみる
という2チームに分けると、ハエだと考えたチームは怒りの数値が大きく下がり、パズルの成績が30%もアップしました」(オハイオ大学の研究論文より)
思わぬ怒りに直面したときに自分を「壁に止まったハエ」だと想像して、現状を外から見る視点をつくり出すのがポイント。客観的な視点をつくることによって、現在の自分と感情の間に距離が生まれて、ネガティブな思考に流されにくくなり、怒りを落ち着かせるのだ。
孤立を感じて憂鬱なときに
「メンタル・サブトラクティング」(ヴァージニア大学・アメリカ)
さらに、人間関係に悩み、孤立感に苛まれ、ネガティブな気分を引きずってしまった場合はどうするか。そんなときにはヴァージニア大学が考案した「メンタル・サブトラクティング」が効果的だ。
「人間は、『得た喜び』よりも『失う苦しみ』のほうを強く感じる生き物なので、あえて過去のポジティブな出来事がなかったと想像します。すると、そのポジティブな出来事に対する喜びが増し、被験者の多くが前よりもストレスに強くなっていたのです。さらに研究から1か月たったあともポジティブな気分が続いていました」(ヴァージニア大学の研究論文より)
人生で起きたポジティブな出来事が、実は起きていないと想像するとストレスへの免疫力が上がる。なかったことにするポジティブな出来事は「道ばたで1000円を拾った」や「仕事で成功した」程度でもOK。一回3分を2週間続けると効果的だ。
思考をうまくコントロールすることでストレスは解消できるのだ。
― 最新医学が教える[ストレス解消法] ―