ブルース・リーに横山やすし!「唯一無二なニットセーター」の編み物職人を直撃
モチーフを知らない世代にも人気?
──となると購入者は、ご自身(54歳)と同世代の方が中心ですか?
堀ノ内:そんなこともないんです。例えば、僕より上の世代の人がよく聞いていたミュージシャンで、1980年代に亡くなったクラウス・ノミのバッグなどが、若い女性がよく買ってくださいます。
──背景にあるカルチャーよりも、デザイン性にビビッときてるんでしょうね。
堀ノ内:他にも、1970年代のパンクバンドの取り巻きだったスーキャット・ウーマンという女性のモチーフの作品も、買ってくださるのは、若い女性が圧倒的に多いですね。
編む工程は「修行の気持ち」
──作業としては、黙々と編んでいるんですか?
堀ノ内:ミュージシャンを編んでいる時は、なるべくその人の音楽を聴きながらやるようにしています。そのほうが気持ちも高まりますからね。
──画家さんの中には、完成した時の喜び以外に、絵を描くという行為自体に喜びを感じる方もいますが。作っている最中も楽しいですか?
堀ノ内:あまり楽しくないです(笑)。修行のような気持ちですね。ひたすら地味な作業を続けるだけなので、どこまで根気を保って作れるかはテーマです。マラソン競技みたいな感じですね。やっている時は辛いけどゴールを目指すような。