「失敗する若者、変われない若者」の欠点。昭和40年代生まれの2人が憤慨
マネージャーの資質で人は変われる
伊藤:そこで腐ってダークサイドに落ちいってしまう人もいるでしょうね。それは本人の気質の問題もありますけど、やはりマネージャーの責任というのは本当に大きいと思っています。マネージャーの役割というのは、教えることではなく寄り添うことです。
結局、頑張るのは本人なのですが、「どうしたいか」「どう考えているか」という問いをかけ続けるんです。褒めもしないし、けなしもしないけど、ずっと見ている。その機能が日本のマネジメントには足りていないと感じています。
池田:そうですね。僕も問いかけますが、つい「で?」と結論をはやく求めてしまう。僕も伊藤さんのようにもうすこし余裕を持って手を差し伸べられるようにならないといけないですね。
伊藤:では、自分では何をすればいいかというと、前の記事でも言ったようにとにかくしゃべることです。人間の脳の中には思考の断片のようなものが無数にうごめいています。それを声に出すと散らばっていたものが瞬間的に構造化されるんですよね。さらには、「自分はこういうふうに考えていたんだ」と気付くことまであります。
「すごい」「ヤバい」と口に出してみる
伊藤:ソフトバンクアカデミアに在籍しているとき、平尾丈さん(株式会社じげん代表取締役社長執行役員CEO)やマーケティング業界で活躍されているdofの齋藤太郎さんとかが周りにいたんですけど、そういう人たちが集まると、「すごい」とか「ヤバい」しか言っていないんですよ。だから私も真似をして、「すごい」「ヤバい」と声に出して言うようにしたんです。嘘だろうと思うかもしれませんが、私はそれで成長したと自負していますし、自己啓発の本質だとも思っています。
池田:これはみんなあまりやらないことなんですが、僕は「書く」なんですよ。「あー、また書くってやつですか。ハイハイ」って言われそうですが(笑)。今の若い子たちからしたら、「おじさん、書かなくても自分のことだから分かりますよ」って感じですよね。
昔、筑紫哲也さんの『NEWS23』という番組で、インタビュアーが新橋のSL広場にいるサラリーマンに「あなたは今幸せですか?」と聞いていたんです。すると、みなさん「考えたことなかったなぁ」と首をかしげるんです。自分が幸せかどうかを考えていない、つまり認識できていない時点で「だからダメなんだよ」と僕は思ってしまいます。
伊藤:本当にそうですね。