「たくさんしゃべる」で現状を打開

伊藤羊一氏と、池田紀行氏（左）

池田：「うおー！」ですね。とてもよく分かります（笑）。伊藤さんの最近の「うおー！」な気付きは何でしょうか。

伊藤：武蔵野大学アントレプレナーシップ学部の学部長を2年務めて、ひとつ大事なことに気付きました。それは、「たくさんしゃべること」です。なぜかというと、「just do it」という言葉自体は世の中に浸透しています。

　でも何らかの刺激を受け、それを反射的にすぐ行動に移せる人というのは実際のところ限られてくるわけです。その思考回路が出来上がっていない人は、あれこれ悩んでしまい行動に移せません。これを打開する術が、「とにかくしゃべること」だと思ったんです。

池田：僕らの対談のようにたくさんしゃべることで気持ちがどんどん盛り上がっていきますからね。

伊藤：なのでイベントや講演など人前で話すときは、とにかく「しゃべろう」「語ろう」と伝えています。とにかくしゃべることによって気持ちを盛り上げ、行動に移れるように自分を促す。成功を目指している若い子たちに必要なのは、これじゃないかと気付いたんです。

＜取材・文／國友公司＞

【伊藤羊一】
1967年生まれ。武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長。Zホールディングス株式会社 Zアカデミア学長。日本興業銀行、プラスを経て2015年よりヤフー。現在Zアカデミア学長としてZホールディングス全体の次世代リーダー開発を行う。またウェイウェイ代表、グロービス経営大学院客員教授としてもリーダー開発に注力する。代表作に超ベストセラー『1分で話せ』（SB クリエイティブ）、新著に『「僕たちのチーム」のつくりかた』（ディスカヴァー・トゥエンティワン）などがある

【池田紀行】
1973年生まれ。株式会社トライバルメディアハウス代表取締役社長。マーケティング会社、ビジネスコンサルティングファームなどを経て現職。大手企業のデジタルマーケティングやソーシャルメディアマーケティングの支援実績を持つ。宣伝会議、JMA(日本マーケティング協会)マーケティングマスターコース講師。近著『自分を育てる「働き方」ノート』（WAVE出版）、『売上の地図』（日経BP）など 著書・共著書多数