「昭和のおっさん全開乙でもいい!」タイパを求める人間が退化するワケ<伊藤羊一×池田紀行>
自己啓発本を読むと馬鹿にされる?
伊藤:実をいうと私の知り合いが2010年頃にトライバルメディアハウスさんに転職をしまして、そのときから池田さんのことは存じ上げていたんですよ。
池田:そうでしたか。僕は今までマーケティングの本ばかり書いてきましたが、20代のときから自己啓発の権化を自負していて、八重洲ブックセンターに並んでいる自己啓発本はとりあえず片っ端からすべて読むような生活をしていました。
自己啓発本に育ててもらったような人間なのですが、自己啓発本を読んでいる人ってなんだか馬鹿にされる風潮があるじゃないですか。
伊藤:そうそう、そうなんですよ。
変われないのは、変わろうとしないから
池田:だから僕は恩返しをしたくて。伊藤さんも言っていますが、「人は変われないのは、変わろうとしないからだ」というメッセージを伝えたくて、今回こういう本(『自分を育てる「働き方」ノート』)を書かせてもらいました。「昭和のおっさん全開乙」と若者に言われたとしても、「うるせっ!」と言い返しながらやっていきたいと思っています。
伊藤:自己啓発本は大事だと私も言いたいですよ。「いや、啓発しろよ!」と思いますけどね。
池田:努力しているところを人に見られたくないのか、気付かれたくないのか、その感覚って違うのかと思うことはよくあります。「今の時代に努力ですか(笑)」みたいな。