「次々と内定を得たのに」一流企業の最終面接に落ち続ける29歳エリートの本音
嫌な職場から抜け出し、新しい会社へ転職したい。そんな思いで必死に受けた中途採用試験。だが、最終面接で不採用に。しかも、7社も。その時、あなたならどうするか――。
今回は実際に起きた事例をもとに、一流企業の最終面接について考えたい。本記事の前半で具体的な事例を、後半で人事の専門家の解決策を掲載する。事例は筆者が取材し、特定できないように加工したものであることをあらかじめ断っておきたい。
事例:一流企業の最終面接に落ち続けるワケ
大畑雄介(仮名、29歳)は現在、戦略系のコンサルティング会社(社員数200人)にコンサルタントとして勤務する。現在3年目。給与などに不満を感じ、この1年でコンサルティング会社やベンチャーキャピタルなど7社の中途採用試験を受けた。だが、すべてにおいて最終面接で不採用となる。
7社とも規模は大きくないが、新卒、中途ともにエントリー者数やその質は業界内でも最上位で、内定を獲得する倍率は150~200倍とも言われる。大畑は一流国立大学を卒業し、新卒で大手金融機関に入った。在籍は2年。3年目で外資のファイナンス企業に転職したが、2年で退職し、現在の戦略系のコンサルティング会社に移った。
大畑は、芳しくない中途採用試験の結果が信じられないようだ。「これまで一流どころに次々と内定を得てきたのに、なぜ最終面接で落ちるようになったんだろう」。
試験における最終面接の意味
一流企業の最終面接に落ち続けるのには理由があるのだろうか? 人事コンサルティング会社・トランスラクチャのシニアマネージャー兼新規事業開発部長で、人事コンサルタントの仲山和秀さんに取材を試みた。
仲山さんはまず、「新卒と中途の採用試験における最終面接の意味合いは大きく異なる」と語り、こう続けた。
「会社により違いはあるが、新卒の場合は最終面接で不採用になるケースは中途よりは少ない傾向がある。中途では今回の事例のような一流企業で、強力な採用力があるならばリスクを感じる人材を無理に雇う必要はないので、不採用となるケースは少なくない。むしろ、私が知る範囲で言えば相当に多い。
例えば最終の面接官5人がいて、3人が採用にNOと言った場合、残り2人が高い評価をつけ、採用しようと主張したとしても、不採用となるのではないか。5人ならば、せめて4人の面接官が納得しないと、このレベルの企業は内定を出さないと思う」