“和菓子の危機”に活路を。タイで挑戦する老舗和菓子店、人気の理由は「映え意識」
実演販売のイベントは大盛況
2022年はイベント開催に力を入れた。サイアム高島屋店やタイ人経営の和カフェを会場に、和菓子教室などを定期開催している。参加者は笑顔で「楽しかった」「和菓子の奥深さに感動した」と話す。
「体験がもっとも和菓子の魅力を伝えやすいんですよね。若い方の参加が多くて嬉しいです」
2022年11月、サイアム高島屋4周年イベントにて、内田社長を含む5名の和菓子職人が、練り切り製作など鮮やかな職人技を披露した。イベントは大盛況で、来場者は「素晴らしい芸術だ」と称賛したという。
海外市場はブルーオーシャン
高谷さんは今後、職人育成にも力を入れつつ、タイで受け入れられる和菓子のアップデートを目指していく。最後に、爽やかな笑顔で展望を語ってくれた。
「海外の和菓子市場はまだブルーオーシャンで、可能性を秘めています。今年はようかんの認知度をもっと広めたくて、飾り付けの工夫を凝らした商品の試作を重ねています。お客さんがアッと驚く顔を想像するとワクワクしますよ」
若手職人の柔軟な発想を通じ、古風なイメージだった和菓子は、タイで先進的かつクールなスイーツとして新時代を切り拓いている。
<取材・文/日向みく>