フランスに憧れて旅立った結果

──漫画とは違いますが、創作の道には進まれたのですね。そこからしばらくは、デザインのお仕事をされたのですか？

アン：これがですね……。その頃から数か月単位で海外へ放浪の旅に出掛けてたんですよ。観光ビザで3か月間、旅をしては戻ってくるみたいな。そんなことをしている間に、フランスで好きな人でも見つけて永住しようと思い（笑）。フランスという国が好きでしたし、私自身の生活が不安定っていうこともあったので、そういう道もアリなんじゃないかって。今考えると、無謀ですけど。それで、1年のビザを取ってフランスへ行くんですよ。

──思い切った決断をされましたね。フランスで女性ひとりで生活するのは、大変ではなかったですか？ 部屋を借りるだけでも一苦労だと思うんですが。

アン：フランスの田舎のエリアだったので、めちゃくちゃ親切なおじいちゃんとかおばあちゃんがいらっしゃるんですよ。日本では考えられないような大きなお家に住んでおられるような、そういう方と仲良くなって、無料で自宅に泊めてもらっていました。なので、部屋は借りてないんですよ。

部屋を借りずに過ごした1年間は？

画像はイメージです

──1年間、部屋を借りずに過ごされたのですか?! そんなにすぐに泊めてもらえるんですか？

アン：田舎なので、どの家も基本的には日本では考えられないくらい大きいんですよ。だから、私、1人が泊まっても平気だったんじゃないかな。なによりどなたも親切ですから。

──生活費などは？

アン：私はあんまりお金を使わないほうなんで（笑）。道端に落ちてるリンゴを拾ってきて食べたりとか、本当にしてましたから。あと、デザインのお仕事もリモートでやっていたので、最低限の稼ぎを持ちながら、フランスで暮らしてましたね。