洗濯の悩みは100人100通り。“日本一の洗濯屋”が教える、プロの技術を明かすワケ
草の根でオリジナル商品の販売活動
ナチュラル成分を配合した洗浄力の高い洗濯洗剤を商品化するのに、実に着手から6年あまりの歳月がかかったという。さらに、市場価格の約8倍ものプレミアムな洗剤を売っていくには、かなり苦労も経験したそうだ。
「2016年に兄が会社を辞め、2人で起業することを決意したんですが、オリジナル洗剤の認知度がないゆえに、最初の2年間は毎週ポップアップや展示会に出展し、全国を行脚していました。いわば地道に手売りしていくような草の根活動からスタートしたわけですが、口コミで徐々に認知度が広まっていき、少しずつ手応えを得られるようになったんです」
あるとき、リアル兄弟がクリーニングビジネスを手がけていることから「“洗濯ブラザーズ”というキャッチャーなネーミングにすれば、もっと注目されるのでは」と思った康之さん。それがきっかけで、茂木兄弟は洗濯ブラザーズとして活動するようになったとか。
洗濯ブラザーズ結成の背景
「ちなみに血縁関係のない“三男”の今井とは、とあるアパレル展示会へ出展した際に偶然出会いました。僕らは洗剤の量り売りのブースを出していて、結構な賑わいを見せていたんですが、『SNSやプロモーションなど何か手伝おうか』という雑談ベースから、一緒に活動するようになったんですよ」
他方、高価格帯なオリジナル洗剤を拡販していく上で、「売ることよりもお客様が抱える“洗濯の悩み”をヒアリングするのを心がけた」と康之さんは説明する。
「認知度のない高い洗剤をいきなり売るのは厳しいので、クリーニング屋を経営してきたプロの立場から助言する“洗濯の相談”から始めました。さまざまなお客様と対話していくなかで気づいたのは、洗濯に関する悩みは100人100通りあることでした」