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映画『SLAM DUNK』が社会現象に!“必見ポイント”をバスケ解説者に聞く

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バスケ解説者がグッときたシーンは?

佐々木クリス

『NBAバスケ超分析 語りたくなる50の新常識』(インプレス)

──グッときたシーンを教えてください。

クリス:(相手チームの)深津が宮城を抜いて、桜木がヘルプに来たところをヒョイとパスを出して、河田のダンクに繋げるシーンがすごかったですね。まさに、NBAのハイライトシーンを見ているような感覚になるほどリアルでした。

──漫画では、コマのサイズを変えることで、部分的にしか描かない場面でも、映画だと画角が決まっているので、コートを広く描く必要が出てきますね。そのため、パスを受ける河田が遠目で見えていました。

クリス:その意味では、スクリーンアクション(※スクリーン<壁>を作るようにディフェンスを止めて、味方の選手のフリー状態を生み出すプレー)は見応えがありましたね。原作漫画では、三井にスリーポイントを打たせるための部分くらいでしか、スクリーンは描かれていませんでした。しかし、映画ではスクリーンをかけた時の、他の選手のコート上の配置やスクリーンを使うタイミングまで、僕から見ても合理的で自然に描かれていると感じました。

バスケに興味を持った人には…

──今回の映画は、当時の漫画やアニメを知らない若い世代にも人気があるようです。今作を見て、バスケに興味を持った人に向けて、今回の主役・宮城のような選手を教えてください。まずは、日本国内で見られるB.LEAGUEの選手から、ひとりあげていただけますか?

クリス:まず、並里成選手(群馬クレインサンダーズ)ですね。野性味に溢れ、身体能力も高いですし、宮城のようにドリブルのスピードはピカイチです。また、「ファンタジスタ」と呼ばれるほどテクニックもあるので、見れば引き込まれること間違いないかなと思います。しかも、並里選手は「スラムダンク奨学金」(※)で渡米した第1期生なんですよ。

※井上雄彦氏がバスケットボールへの恩返しの意味を込めて創設した、返金義務のない奨学金制度。開始された当時はB.LEAGUEもなく、野球やサッカーと比べてプロ選手になる夢を抱くことが難しく、高校を卒業すると競技を止めてしまうことを憂い設立された。

NBAバスケ超分析 語りたくなる50の新常識

NBAバスケ超分析 語りたくなる50の新常識

専門家の視点で現代バスケを大解剖! 図やデータを豊富に用いた納得の解説で、新常識を1つ読み終えるごとにバスケの攻防がより奥深く見えてくる! NBAの現地取材のお話や、試合解説中のエピソードなど、こぼれ話も盛りだくさん。過去にテレビや漫画でバスケを観ていた人から、超バスケファンまで楽しんで読んでいただける1冊です

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