住所の記載がないので問い合わせたら…

「悪い評価をつけたのか？」と、配達員は客に確かめることはできないが、無言のやりとりの後に大体の結果が予想できるそうだ。

「さらに、アパートやマンションなどの棟ではイーストやウエスト、壱番館や弐番館と建物が並んで建っていることがあります。他にもマンションでAからGなどと複数の棟が立ち並ぶところや、公団では1から50号棟ぐらいが連立していることもあります。

　そんな状態で号棟や部屋番号の記載が無いこともあり、配達員はその際はアプリからお客さんに『何号棟でしょうか？』『何号室でしょうか？』と連絡をすることになります。しかし、その後なぜか悪い評価を付けられることがあります。ちゃんと記載しない自分が悪いはずなのに、配達員から不手際を責められたように感じるのでしょうか？」

へりくだるようになって評価が急上昇

　筆者もフードデリバリーの配達経験は数千回あるが、身に覚えのない悪い評価を付けられた経験は少なくない。注文した彼らは一体どのような心境なのだろうか。

「すぐ腹を立てる人は、要は配達員からペコペコしてほしいんですよ。その証拠に、僕はウーバーイーツをはじめた当初は特にへりくだることもなく、お客さんに対して態度を普通にしていました。

　そうしたら、3か月間ぐらいの間に悪い評価が8個も積み重なりました。ウーバーイーツからアカウント停止にされたらヤバいと感じ、以後お客さんに対してはペコペコするよう改めると、悪い評価ラッシュは止まりました。むしろ、代わりにチップが増えましたね」

　ウーバーイーツの評価システムは、レストランのスタッフと注文者による直近100件の評価の平均値で算出され、その評価は「良い」「悪い」の2択のみで行われる。態度を改善した結果、87％だった俊さんの「良い」評価は、今は97％にまで上がったという。