日本の“カボチャ原産地”、なぜ3つだけ?小学生でも解ける「東大入試問題」
社会人になって振り返って、受験勉強で学んだ知識の記憶がほとんどない人も多いのではないでしょうか。できれば、もう思い出したくないなんて言う人も。
ですが、最近の入試問題はバラエティに富んだ内容となっているようです。難しいといわれる東大の入試問題も、「実は小学生の知識レベルでも解けるような問題がある」と語るのは偏差値35から2浪して東大に入った作家、西岡壱誠さん(@nishiokaissey)です。
今回は『小学生でも解ける東大入試問題』(SB新書)からいくつかの問題をご紹介します。頭の体操にぜひ、挑戦してみてください。
【社会】カボチャの輸入国のナゾ
問題:メキシコとニュージーランドはいずれも日本への輸出金額が一番大きい野菜はカボチャであるが、日本の国内市場で取引されるカボチャは、この両国産と北海道をはじめとする国内産がほとんどを占めている。このように、メキシコとニュージーランドから多くのカボチャが輸入されている理由を、それぞれの自然的条件に触れながら答えなさい。【2015年 地理 第二問 一部改変】
スーパーや青果店でよく買い物をしている人なら、日本で売られているカボチャの原産地の多くが、「北海道」「ニュージーランド」「メキシコ」のいずれかであることは知っているでしょう。でも、よく考えてみると、この3つの国と地域がカボチャの主要な原産地なのはとても不思議なことだと思わないでしょうか?
この問題に限らず、社会科目では、私たちの衣食住について、「なぜ?」という視点を向けて考えることがシンプルに答えを導き出すためのコツです。
衣食住を「なぜ?」という視点で考える
北海道は、北のほうに位置しており、ニュージーランドは南半球、メキシコは中南米です。問題文には「自然的条件」と書かれていますが、この3つの共通点がなかなか見えません。北海道やニュージーランド、メキシコの農業の知識や統計情報などを使ってこの問題に答えようとすると、難問に変わってしまいます。
シンプルに解くカギは「需要」です。「需要」とは、「求められること」です。物事は「求められたから、そうなっている」ことがほとんどです。カボチャを含めた農作物も、求めている人がいるからつくられています。おもちゃでも服でも、すべての商品は求める人がいるからつくられているわけです。
需要があるから、つくられる。大人からすれば至極当然の事実なのですが、社会科目の内容の理解を深めるときには、需要という視点がとても大切なのです。みなさんは、カボチャをいつの時期に食べているでしょうか?