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A5ランク松阪牛が数百円で…三重県中心に展開する「ローカル焼肉店」誕生秘話

ビジネス

動脈や膵臓、食べたことある?

浅井和夫氏

浅井和夫氏

 店と利用者にwin-winな効果をもたらしている「珍しい部位」。どんなものがあるのだろう。オススメの部位を浅井氏に聞いた。

コリコリとした食感が美味しい“動脈”とか、フワッとして柔らかく滑らかな“膵臓”などですね。他に、前足の肉で通称“力こぶ”と言われる部分も、入り組んだ細かい筋膜があって、モチモチで美味しいんですよ。他にも首の部分や、法律で規制される前は“コメカミ”なども流していました」

 取り扱っている肉は基本的に全てA5ランクの松阪牛と和牛(仕入れ状況により、まれにA4の取り扱いあり)というこだわりが。一頭買いとロスの削減によって、それが数百円から食べられるのは嬉しい。

コンベアは冷気を閉じ込められる特注品

 回転スタイルにすることで、手軽に松阪牛を食べられることやアトラクション感によって、今や松阪市内だけでなく、県外からも多くの人を集める同店。ただ、前例のないものを始める裏には苦労もあったようだ。

生のお肉を流すので、回転寿司と同じコンベアでは鮮度や安全性が保てません。設備はもちろん特注です。まず、地元松阪の冷凍業者さんにお願いして、コンベアを覆うルーフの中に付けられる冷媒を作っていただきました。さらに、コンベアを製造するいくつかの業者の中から石川県のメーカーまで行って、冷気を閉じ込めたまま回転させられるコンベアを作ってもらうようにお願いしました。設備投資は想像以上でしたよ(笑)」

 こうした苦労を経て完成した回転焼肉。「このスタイルならではのキャンペーンを展開したこともあった」と浅井氏は話す。

「東日本大震災の後に、あの大きな被害の様子をみて、微力でもうちで何か力になれることはないかと考えて実施した企画があります。お皿に『寄付金皿』といったPOPをつけて流して、そのお皿を取っていただいた数によって、お店が被災地に寄付金を送るというキャンペーンをやりました

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