年収186億円!「カタールW杯得点王」エムバペの“恐るべき幼少期のエピソード”
父親が制止する中、プレーさせてみたら…
結局、今やフランスフットボール界の天才として世界に名を轟かせるこの子供は、母親のファイザに毎日連れられて行った幼稚園の隣にあるミニピッチで、ほかの子供たちと球蹴り遊びに興じていた。それでも時々、父親が働いているクラブの大きな子供たちに見事なテクニックを見せて驚かせていたのだ。
ウィルフリードと共に指導にあたっていたテクニカル・ディレクターのジャン・フランソワ・スネが、当時の“衝撃”を振り返る。
「ある日、我々が練習を終わろうとしていると、当時5歳だったキリアンは何が何でもプレーしたかったようで、『僕もやりたい! 僕もプレーしたい』って叫んでいたんだ。すると父親が『やめろ、キリアン。お前にはまだできないから』となだめていた。でも、しばらくして私が父親を『続けよう、ウィル。あいつにもやらせてみれば』と論したんだ」
すぐに特別な資質があることがわかった
「すると、5歳のあの子は思いきりボールを蹴り始めた。最初は我々も笑って見ていたけど、すぐに特別な資質があることがわかった。ボールを信じられない方向に操っていたんだよ。周りの連中も目の前で起きていることを信じられなくて、『この小僧は何者だ?』って驚いてたよ。私自身も、何度も心の中でつぶやいたさ。『ウララ、ウララ』ってね」
この「ウララ(かっこいい、イカす、ヤバイ、という意味)」は、キリアンのことを語るときに誰もが何度も繰り返して使った表現だ。同じことを会長のアイルーシュも感じていた。
「子供たちはみなプロのフットボール選手になることを夢見るけど、あの子にはほかの子供たちにはない資質があった。ほかの子供たちには難しいことを巧みにやってのけて、しかもほかの誰よりも速かった。明らかにほかの子供より10倍、20倍、100倍上だった。本当に特別な存在だったよ」