「自分を肯定したい」元乃木坂46伊藤万理華が語る、“救われた”と感じる瞬間
他人から自分の個性を教えてもらった
――本作は「自分応援映画」と謳われてもいます。伊藤さん自身は自分の個性や特徴を意識的に認めてきましたか? それとも自然と自分の好きなことにまい進している?
伊藤:私はもともと女の子ばかりのグループにいたので、どうしても競争社会のような空間でした。15歳の頃「私は選抜に入れないんだな」という時期があり、そこで自分をアピールしていくにはどうしたらいいんだろうと考えて「絵が描けます。踊るのが好きです」と言ったとしても、自分より上がいる。「あれ、私にはなんの武器もないんだ」と。そこから始まったので、今に至るまで試行錯誤の連続でした。
――もともと得意だと感じていたことがあったのに、自分には武器がないと。
伊藤:過去に私がプロフィール上に書いていた趣味の一覧が「全部なくなっちゃった。どうしよう」と。そうなったとき、実は自分では当たり前のように思っていたこと、たとえばブログを一生懸命書いて、そこに私服を載せて落書きしたりしていたことが、他人から見たら個性なんだよ、ということを知りました。「そうか、私、服がすごく好きだな」とか「書くことが好きだな」って、そこが「個性的だね」と人から言われることで気づかせていただきました。
自分が出会いたかったものに出会えてきた
伊藤:絵や踊りに関しても、いろいろあって、人によって違います。私が勝手に比較していただけで、そこもちゃんと私の武器になっていたんだということも、応援しくれる方が言ってくれたことで気がつきました。
こちら(bizSPA!フレッシュ)で以前の記事<伊藤万理華、“ネガティブだった”時期を経て見つけた「大事なこと」>でもお話したと思いますが、乃木坂に入って最初のお仕事がソロでのショートフィルムで、「私はこうした現場、空間が好きなんだ。演じることが好きなんだ」と思えたことが大きいです。試行錯誤してきたと言いましたが、いろんな巡り合わせで、自分が出会いたかったものに出会えてきたと、今は思えています。