「自分を肯定したい」元乃木坂46伊藤万理華が語る、“救われた”と感じる瞬間
乃木坂46の元メンバーで、俳優として映画(『サマーフィルムにのって』)、ドラマ、舞台で活躍する一方で、個展を開いたり、この12月にはフォトグラファーや劇作家などのクリエイターと組んだ大型ブック(『LIKEA』)を発売したりと、アーティスティックな面を見せている伊藤万理華さん(26)。
現在は、恋愛感情を抱くことができない女性・佳純(三浦透子)がアイデンティティを見つめていく様子を見つめた映画『そばかす』が公開中。伊藤さんは、恋人を作らない姉・佳純を心配しながら理解できずにいる睦美に扮しましたが、観客としては佳純の側に立って本作に「救われた」と語りました。
「女性はこういうものでしょ」を体現
――まずは本作と演じた睦美への印象を教えてください。
伊藤万理華(以下、伊藤):本作のようなテーマをストレートに投げかける作品って、あまりなかった気がしますし、参加できてすごく嬉しかったです。睦美は、いわゆる世間で言う“普通”と言われる役です。普通に結婚して妊娠し、「女性はこういうものでしょ」と体現している役。そうした存在がいることによって、姉の存在や、周りのキャラクターたちも際立つので、重要な役柄だと感じました。
――妊娠している役柄という点はいかがでしたか?
伊藤:経験がない役だったので、「自分で大丈夫かな」と思いました。想像でしかないわけですが、疑似的にでもお腹を大きくする形で演じさせていただいて、本能的に手がお腹を触ったり守ったりしてしまう感じがありました。
姉妹役の三浦透子とは同じ年生まれ
――三浦透子さんとは姉妹役ですが、同じ1996年生まれですね。共演されていかがでしたか?
伊藤:早生まれなので、学年的には私が上です。三浦さんは芸歴も長く、いろんな作品に出演されていて、とても素敵な役者さんだなと思っていました。お会いしてもそのままの方でした。撮影期間中は、軽く雑談はしました。
雑談で仲を深めていくというよりも、演技をしながら、そのやりとりのなかで見えてくるものがありました。三浦さんとの時間はとても貴重で一緒に演じやすかったです。監督との顔合わせで本読みをしたときに、三浦さんが自分の意見を監督やスタッフさんにちゃんと言えていて、すごいなと思いました。私にはなかなかできないので。