レジェンド声優・山寺宏一「僕はSNSを気にする気弱な61歳」仕事への“意欲”も
1985年に声優デビューし、数え出したらきりがないほどのアニメや洋画の吹き替えを行い、俳優や、ラジオDJ、バラエティ番組などでも活躍する山寺宏一さん(61)。現在は、2004年から主人公ゾロリの声を演じているシリーズの最新劇場アニメ『映画 かいけつゾロリ ラララ♪スターたんじょう』が公開中です。
ミュージカル仕立てとなった本作では、天性の歌声を持つ少女ヒポポと出会ったゾロリが、彼女を歌手デビューさせるべくプロデュースしていきます。ヒポポを演じたのは、乃木坂46の元メンバーで現在はミュージカルなどで活躍中の生田絵梨花さん。
「見どころはヒポポ。生田さんは素晴らしい!」と太鼓判を押す山寺さんに、専業声優の仕事や、四畳半のアパートに住んでいた20代の頃のこぼれ話などについて聞きました。
何年経ってもゾロリはゾロリ
――今回の映画はミュージカル仕立てで、主題歌だけでなく、本編中でもゾロリが歌っています。
山寺宏一(以下、山寺):そう、ミュージカル仕立てです。でも今回の魅力はなにをおいてもヒポポです! ヒポポの成長物語、そして歌。これが見どころです。
――ゾロリに関しては、同じキャラクターを、間を空けながらも演じていく難しさ、心がけていることはありますか?
山寺:もちろん、声には経年変化がありますから、そういったことは気をつけています。あと心が老けないこと。世の中のいいも悪いも知ってくると、それが芝居に出てきちゃいますよね。でもゾロリはゾロリですから、ゾロリとはどんなキャラクターなのかということを忘れないことです。あとは、その都度みんなで話し合いながら作っています。
生田版ヒポポは「素晴らしい!」の一言
――今回の見どころはヒポポだと。出来上がったものをご覧になって、生田さんのヒポポぶりはいかがでしたか?
山寺:素晴らしかったです。「お世辞じゃないか」と思われるかたもいるかもしれませんが、観ればわかります。「素晴らしい!」の一言に尽きますね。すごく難しい役なんですよ。歌が好きで、上手で、いい声なんだけど、自信がなくて、過去の出来事から大きな声が出せなくなっている。それがゾロリや妖怪たちと出会って、少しずつ変わっていく。僕もいろんな声で歌うのは得意なほうだとは思いますけど、そこまでの歌唱力は自信がないです。
生田さんは元アイドルですし、歌も上手で、ミュージカルで活躍されていることは重々承知していたので、当然こなすだろうなとは思ってましたけど、想像をはるかに超えて、素晴らしかったです。ヒポポはもう彼女じゃなきゃダメです。