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コロナ診療は紛らわしい?急増する「医療費の未払い問題」病院の本音は

ビジネス

未払いが続けば破綻も「病院も企業と同じ」

 未払いがこのまま増えてしまえば人件費や回収にかかる費用などが高騰し、病院経営にも大きなダメージを与えてしまうかもしれない。実情はどうなのか。

「国や自治体などの支援を受けられるのは、国立病院や県立病院、市立病院など。ほかの病院は、一般企業と同じです。患者さんから診療報酬などをいただいて経営しています。当院の未収金は患者さんの一部負担金だけでも年間で数百万円ほどになります

 このまま未収金が増えれば、病院の経営はまわらなくなり、破綻してしまいます。また、支払の催促などが増えると通常業務に支障が出て、円滑な運営は難しくなります。また、職員の負担が増えると退職を希望する人が増える恐れもあり、患者さんへの影響が懸念されます」

お金がない人はどうすればいい?

医療費 診断

 未払いが病院や私たち自身に与える影響が大きいことはわかったが、経済的な理由でやむなく診察料などが支払えない人もいるかもしれない。金銭的に支払いが難しい人は、受診や検査を控えたほうがよいのだろうか。

いいえ、受診や検査はしていただきたいです。診察料などのお支払いが難しい方は、お持ちの保険証の管理者に、『病院での受診や検査を希望しているが、支払いが難しい』と相談してみてください。たとえば国民健康保険でしたら、各自治体の保険窓口などです。

 医療制度のなかには収入に応じて医療費が減額や免除となるケースもあります。当院も含め各医療機関にはケースワーカーが配置され医療を継続して受けられるようさまざまなアドバイスをおこなっています。検査や受診、治療や入院を希望される方は、各病院へ相談してみてください」

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