コロナ診療は紛らわしい?急増する「医療費の未払い問題」病院の本音は
悪質な医療費未払いの実態や割合は?
未払いの多くは、「コロナ検査にかかる費用をすべて無料だと勘違いしているケースがほとんど」だと言う松坂氏だが、やはり「悪質な未払いも実際にある」と言う。では、どのように悪質で、その割合はどの程度なのだろうか。
「当日検査結果を電話でお知らせするときは電話がつながるのですが、その後は音信不通というケースがあります。また、それほど日が経っていないのに電話番号が変わっている、郵送で督促を出すと住所も変わっているというケースもあります」
短期間でのことなので、最初から違う住所を記入していたのかとショックを受けることもあるようだ。こういったケースはコロナが発生した初期に多く、国が感染症対策として打ち出した行動制限に従わず外出し、感染が不安になって検査に来た人に多かったとか。
「悪質なケースというのは目に付きますが、それほど多くはありません。当院の場合、月数百人の発熱患者さんのうちの、ほんの数例あるかないか。全体の数%ほどです。だんだんと減ってきていますし、無料だと勘違いされている方は、連絡をすればきちんと支払いに来てくれます」
ずっと医療費を支払わないとどうなる?
勘違いによる未払いの場合は連絡がつけばスムーズに支払ってくれるとのことだったが、勘違いしたフリをし続けて支払わない人も今後は出てくるかもしれない。もし、ずっと診察料や薬代を支払わない場合、どのようになるのだろうか。
「まず、検査に来られた方には、先ほどお話した『各種保険による診察料の目安』をお渡しし、体調がよくなってから診察料などをお支払いに来ていただくようお伝えします。1か月経ってもお支払いがない場合は、電話をかけます。
その後、電話がつながらない場合は定期的に連絡。昼間はお仕事をされている方も多いので、そういう場合は郵送でお知らせすることもあります。こういったことを繰り返してもお支払いがない場合は督促状をお送りし、最終的には病院の顧問弁護士に回収を依頼します」