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コロナ診療は紛らわしい?急増する「医療費の未払い問題」病院の本音は

ビジネス

医療費未払いを招く2つ目のケースは…

 2つ目は、症状があって受診し、医師の指示により検査を受けて陽性が判明した場合でも、診察料が有料なのを知らない人が多いということ

「“無料となるのは陽性が判明してから”になるため、陰性か陽性かを知る検査段階では“コロナではないため有料”なのです。この2つのケースでは、情報がきちんと行き渡っていないことが原因で、勘違いしている方が多くいらっしゃるということです」と松坂氏は言う。

 3つ目は、岡山旭東病院も含め、多くの病院が抗原検査やPCR検査時は医療費の支払いを当日に求めていないこと。患者同士や病院スタッフへの感染リスクを下げるためのこの取り組みも、未払金発生要因のひとつとなっているようだ。

「当日に病院の窓口で会計を求められないから、“すべて無料”だと勘違いされて帰宅してしまうというケースです。コロナの検査を受ける方々にこういった勘違いをさせてしまっているのは、医療機関である我々の責任もあると思います」

医療費未払いを招く4つ目のケースは…

 また、4つ目のケースとして、コロナで陽性になった人が長い療養期間中に支払いを失念してしまうというパターンもあるとか。岡山旭東病院では対策のため2022年8月から、コロナ検査を受ける人に「各種保険による診察料の目安」を記した用紙を配布するようになった。

岡山旭東病院

岡山旭東病院で配布している「各種保険による診察料の目安」の用紙

「それでもやはり無料だと勘違いしている方もいらっしゃるので、そういった方には督促などもお送りしています。督促を受け取った方から連絡があり、『支払いはないと思っていた』ということも少なくありません

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