高杉真宙が語る「優しくはないし、全然爽やかじゃない」仕事と性格の自覚
プロフェッショナルを感じた現場
――灰原は、面接に来てすぐに現場に行かされます。そしてプロの取り立てを体験しますが、高杉さんが、現場で周囲の方々を見ていて「プロだな」と感じた瞬間を教えてください。
高杉:よく覚えているのは、15歳か16歳のときに出演したWOWOWの『學』(雨宮望監督、倉本聰原作・脚本)の現場です。監督が一切妥協されない方で、僕に対しても、厳しく、優しく指導してくださって「プロだなぁ」と思いました。一番覚えているのは「俺は動物を撮りに来たんじゃねえんだ!」と言われたことですね。今、いろいろ厳しいことを言えない社会の流れになっていますが、僕にはとても必要な言葉でしたし、そうやって熱量を注いでくれる人がいるというのは、とても幸せなことだと思います。
――確かにいまはそうした指導もしづらくなっていますね。
高杉:作品へも、人へも本当に愛あっての指導の方と、上から目線になったり、どなったりすること自体を楽しく感じてしまう人と、どちらもいると思うんです。でも僕はそうした変な先輩方には会ってきていなくて、人として尊敬できる人ばかりです。だから僕自身もいつか指導できるような立場になったときには、それを自分の楽しみに感じてしまうような人にはなりたくないです。
SNSは自分より世の中のことを調べる
――今回、主演映画が3本続けて公開され、続け配信スタートです。SNSで反応をチェックなどはされますか?
高杉:してみようかなと思ったりはしますが、しないです。ずっと見たことがなくて、ここ1~2年はチェックしてみたんですけど、正直、あまり有益ではないなと(苦笑)。いろんな人の意見がストレートに見られるのは嬉しいですし、有難いし、便利だなと思いますが、単純に時間のかけ方として、自分のことよりも、今世界で何が起こっているのかとか、世の中のことを調べるほうが楽しいと思います。
――昨年独立されました。実際に新しい環境に身を置いてみてよかったと感じていることを教えてください。
高杉:自分のことに自分自身で責任を持つことが目標でした。それは行動を起こしたからこそできていることなのかなと思います。13歳から仕事をして12年ほど経っていたので、同年代の読者の方々とはまた違った環境ですが、それでも20歳からの吸収率って高いと思うので、この年齢で動けたことは運が良かったと思いますし、それはたくさんの周囲の方々のおかけだと思っています。