月150万円超稼ぐパパ活女子が「“定期19人”いても新規開拓を辞めない」ワケ
いま歌舞伎町で起こっていることは、暴力団の衰退、ホストを頂点としモテない中年男性を最底辺とする“カネの食物連鎖”の固定化、Z世代(1996年以降生まれ)の若者たちの台頭、そして「男に貢ぐ」ために息を吸うように売春する女性たちの増加だ。歌舞伎町の多くの女性は失業や低収入ではなく、男に貢ぐために貧困化している。
歌舞伎町は欲望の街とよくいわれる。人流が激しい歌舞伎町で起こる現象は、いずれ東京の他の繁華街に伝染し、最終的には地方に広がっていく。歌舞伎町で起こることは前兆現象であり、おそらく近未来の日本で起こることだ。歌舞伎町で生きる貧困女性たちの生々しい声から、自分が生きる日本の未来を感じてほしい。
貧困女子たちの生態を追い続けてきたノンフィクションライターの中村淳彦氏(@atu_nakamura)が、東洋一の繁華街の裏側と貧困女子たちのリアルを描写した1冊が『歌舞伎町と貧困女子』(宝島社)です(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)。
コロナ禍で「定期」になることが増えた
都内私立大学4年生、山瀬麗華(仮名・22歳)は、通学や就職活動はいっさいしないで、ずっと歌舞伎町を中心にパパ活をしている。
パパ活で使うのはパパ活専門アプリで、初めて会う男性とは歌舞伎町のドン・キホーテで待ち合わせて、セントラルロードにある喫茶店に行く。そのままラブホテルに行くこともあれば、日を改めて食事デートすることもある。それぞれだ。コロナ禍が長期化するなか、おじさんと「定期」と呼ばれる長期的な関係になることが増えている。
パパ活=売春という意味で、この言葉を使う人が多い。しかし、パパ活を定義すると「デートをして、その見返りに金銭的な援助をしてくれる人を探すこと」になる。お金が絡んだ男女の恋愛関係で、お金があって若い女性を欲している40~50代男性と、就労収入が低い20代女性が「カップル」になる。
数が多すぎるので間違えないように…
恋愛感情はお金を払う男性の一方通行というのが、一般的なパパ活の関係性だ。「定期」とは定期的にデートする関係のことで、定期は、女性にとって不特定多数を相手にする売春と違い安定した収入が見込め、男性にとっては好きな若い女性と疑似恋愛関係になれる。定期はパパ活女子やパパ活男性が目指す理想形となる。
「いま定期は19人です! 会うのは人によってで、毎週の人もいれば月1の人もいる。全員からどんどん連絡があるので頻繁に会話はしていて、名前の横に最初にどこで会ったとか、会話内容をメモしています。数が多すぎるので他のパパと間違えないようにしています」
山瀬麗華は大学紹介のパンフレットに載っていそうな清楚で清潔感のある普通の女の子だ。定期パパの一部は、彼女と付き合っていると思っている。状況的には同時に彼氏が19人いるのとあまり変わらない。LINEや電話、デートとパパの相手をするだけで膨大な時間を使う。