身に覚えのない“寿退社”に困惑、「円満に辞められる」と話す上司の意図とは
なぜ寿退社になっていたのか
もやもやを解消すべく、「私、寿退社することになっていませんか?」と小枝さんは上司に確認をとったそうです。すると……。
「『寿退社であれば円満に辞められるから』という理由で、上層部へ話が進んでいたことを知りました。確かに円満に辞めることは大切だとは思うものの、嘘の理由で会社に話が通ってしまっているのは、どうしても違和感が……。
本来の退職理由である『自分の力で挑戦していきたい』という思いを尊重してほしかったし、会社が応援して送り出してくれてはじめて本格的にスタートラインに立てる気がしていました。『話が通りやすいから』という理由だけで私の決意が埋もれてしまったことは残念です」
今となっては若干反省も
その後、退職してフリーランスとしての働き方を実現させた小枝さんは、最初は苦労したものの、徐々に仕事も軌道に乗りはじめているようです。そして、遠距離の彼氏との結婚も決まり、間もなく彼の住む街に引っ越すのだとか。
「辞めてしばらくは前職のメンバーから『新婚生活はどう?』といった連絡をもらっていたので、ようやく結婚についてもまともな返答ができるから安心だなって(笑)。あの時は、なぜ退職理由が寿退社になっているのかと憤りも覚えましたが、よく考えたら私がはっきりと上司に理由を伝えられてなかったのかもしれません」
自分の伝え方がはっきりしていなかったと、「若干反省している」と話す小枝さん。お世話になった会社を気持ちよく退職するためにも、理由ははっきりと伝えることが大切ですね。
<TEXT/萩ゆう イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>
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