相方との距離感は徐々に縮まっていった

――最初は児嶋さんとの“距離”を感じましたが、ゲストを迎えるようになって徐々に渡部さんの表情が柔和になっていった気がします。

渡部：児嶋は、僕を監視しなきゃいけない立場だと思うんですよね。やっぱり、「周りからどう見られるか」がすごく気になるだろうし、「調子に乗るなよ」っていうのをずっと言ってたので。

　それで、僕も児嶋と2人だとどうやっていいかわかんなくなっちゃって。そこでゲストの人がね、普通に僕と絡んでくれることで徐々に自然体になってきたというか。けっこうお叱りもいただいたんですよ、「いつまでそんなに恐縮してんだ」「復帰した意味ないじゃん」みたいな。

　たしかにせっかく出させてもらって、このままじゃダメだなと。もちろん世間様に頭を下げながらですけど、今は「ここでは普段通りパフォーマンスしないと」って意識でやってますかね。

恩人・東野幸治について

――「東野vs」（東野幸治さんのYouTubeチャンネル）の渡部さんの出演回は、新刊『超一流の会話力』で書かれている“プロレス”を実践したような動画でした。

渡部：あれは、いわゆる本来のネイキッドな東野幸治。東野さんの本当のすごさって、やっぱああいうトコですよね。“白い悪魔”と言われる所以というか。だから、相対的に僕は得しますよね。ありがたいです、本当に。

　一方で、テレビでは完全にプロ仕様というか、いわゆる技術ショー。まさにそこも、この本に書いてある「振って」「大笑いして」「次に回して」っていうようなことなので。そういうテレビ芸も含めてすごいなと思います。