「鮮度は抜群でした」海外で“レバ刺しを食べるツアー”を決行、かかった総額は
2012年の食品衛生法の改正により、牛や豚の肉や内臓の生食用としての提供・販売が禁止。この前年に焼肉チェーンで起きたユッケ集団食中毒事件が引き金になったと言われていますが、これにより全国の焼肉店で人気メニューだったレバ刺しの食文化は消滅してしまいました。
衛生面を考えれば仕方のないことですが、「どうしても食べたい!」と諦めきれない人も。会社員の高木聡志さん(仮名・31歳)は、2022年9月に取った遅めの夏休みを休暇を利用してタイの首都バンコクを訪問。その目的はレバ刺しだったといいます。
タイでレバ刺しが食べられると知り…
「海外なら食べられる国があるって発想自体がなかったですけど、駐在員として向こうに住んでる親友が現地の焼肉店に生肉メニューがあることを教えてくれたんです。しかも、2022年9月7日からコロナワクチン3回以上接種の方が帰国前PCR検査不要になったのをニュースで知り、急きょ航空券とホテルを手配して行くことにしました」
タイでは保健省が注意喚起を行っている程度で、日本の食品衛生法のように肉の生食を規制する法律はありません。それに東北部のイサーン地方には牛の生肉を使ったラープ料理(※ハーブや唐辛子、ナンプラーなどを加えて和えたサラダ)の「ゴイギンドーン」、牛の生肉だけでなく血を加えた酸味と辛みの利いたスープが特徴の「ソックレック」などがあり、一部の屋台でも食べることができます。
ずっとレバ刺しが食べたかった
そもそも同国には数多くの日本食レストランがあり、バンコク市内だけでも推定2000軒以上が。その中には日本人オーナーが経営する焼肉店も多く、肉の品質などのクオリティは日本国内の店にもまったく引けを取らないと言われています。
「バンコクには5日間滞在し、念願のレバ刺しと対面したのは3日目の夜。親友が自分の行きつけだという駐在員の間で人気の店に連れてってくれたんです。実は、レバ刺しは父親が好きで家族で焼肉店に行くと必ず注文してましたが、子供のころは『お前にはまだ早い』って食べさせてくれなかったんです。
大学時代に自分で食べに行けるようになったけど、少ないバイト代からじゃそんなに通うこともできず、おまけにレバ刺しデビューを果たしてから1年ほどで法改正になって食べられなくなっちゃった。それが遠く離れた異国の地で食べる機会が訪れるんですから人生何があるかわからないですね」