タワマン文学に注目が集まる!年末の風物詩 「クソ物件オブザイヤー2022」運営が語る手応え
「おもしろ間取り」を熱望する声が
――一部ツイッタラーの「おもしろ間取り」を熱望する声について、対応に苦慮されている印象があります。
グル:アニメアイコンでフォロワーが10人ぐらいのアカウントの多様性溢れるみなさんが「もともとクソ物件オブザイヤーはおもしろ間取りを投稿する場だったのに、メジャーになって面白くない奴らが集まりはじめ、よくわからない不動産大喜利ネタが投稿されてつまらなくった。良コンテンツが衰退していく際にたどる典型的なケースだ!」みたいなことを毎年おっしゃられて、一部の関係者からは「間取りキッズ」と呼ばれています。
KBOYと聞けば、なんか変な間取りや、どうしてこうなった? みたいな建物とかを取り上げてそうなのに、蓋を開けてみると大金を賭けて不動産の世界で戦う不動産屋さんたちがニヤリとするような、人の欲や業が不動産の姿を借りて現れたプロジェクトや事件ばかりが投稿されています。
まぁ、もともと不動産屋さんたちが始めたお祭りですし、そもそもクソ物件というネーミングが誤解を招きやすいとは思っています。しかし、当初よりずっとこれで来ちゃいました。もう3年ぐらいこのアニメアイコンの皆さんと僕たちのコントが繰り返されていますが、来年も「クソ物件オブザイヤー」って名前でやります。
一時期よりはクソ間取り投稿勢のみなさんも減ってしまっています。アニメアイコン間取りキッズのみなさんのクレームも枯れ木も山の賑わい、来年も僕たちはみなさんを心よりお待ちしております。
タワマン文学、出版される
――全宅ツイとしての今年の振り返りはいかがですか?
グル:今年は『正直不動産』がドラマ化され、凄まじい反響を呼びました。ドラマ放映に合わせて発売された書籍『不動産業者に負けない24の神知識-『正直不動産』公式副読本-』(小学館・全宅ツイ著)も増刷がかかり、たくさんの印税をいただきました。ツイッター上でも全く不動産に関係なさそうな、永瀬財地役の山下智久さんのファンの若い女性方たちがこの本を買って、写真をUPしてるのを拝見しました。
きっと「超男前の山Pの写真が少しでいいから掲載されてほしい」と期待して買ってみたら、ぼくたちみたいな、小汚いおっさん不動産屋さんの不動産トーク満載本であったことに著者の一人として心からお詫び申し上げます。
――出版といえば、タワマン文学が注目された1年でもあります。
グル:今年は僕たちが始めたタワマン文学より、光り輝く2つの才能が出現しました。『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』(集英社)の麻布競馬場先生。文化的・資本的背景を持たずに地方からやってきた若者が東京に徹底的に打ちのめされる様が圧倒的な臨場感で書かれています。