「現場が不公平」が合言葉。日本の“横並び主義”がもたらす同調圧力の正体
無駄な時間の代表格「長い会議」
もちろん、趣味の合う仕事仲間とのレクリエーションや飲み会での忌憚のない会話から、ポジティブな関係やアイデアが生まれる可能性を否定はしません。しかし、選択肢「A」のように、無理をしてまで参加しなくてはいけない、もしくは同調圧力によって参加させられるような環境には「ノー」を突きつける、または距離を置いてよいでしょう。
この無意味な同調圧力が職場の生産性やモチベーションを停滞させる例として、多くの人が経験済みと思われるのが「無駄な会議」です。
「この会議って、何のためにやってるんだっけ?」「自分の仕事とほとんど関係ないけど、出席する必要あったのかな?」「チャットかメールで済む話だと思うけど……」「結局、決まった人しか発言しないし、長いし」
誰もが一度は、心の中で思ったことがあるのではないでしょうか。それでも、とりあえず我慢して出席する。たまに意見を言おうものなら、「会議をさらに長引かせやがって」と、なんとなく白い目で見られる。とてつもなく無駄な時間です。
イラストで会議をレコーディングしたら…
この「無駄な会議もみんなで我慢する」との同調圧力から、アイデアとスキルで軽やかに脱却したケースを紹介します。IT企業で子育てをしながら働くある女性社員の方は、リモート会議中に、こんなことを思いついたそうです。
「リモート会議って話が錯綜して、伝わりづらいな。要点を参加者がもっと共有しやすくなったらいいのに」
そう考えた彼女は、もともと得意だったイラストで、会議に参加しながらグラフィック・レコーディングを始めました。グラフィック・レコーディングとは、議論の流れをまとめて、イラストなどグラフィックで可視化して記録する手法です。
すると、「わかりやすい!」と社内で好評を博し、その評判は徐々に社外にまで伝わっていきます。そして、今では社内の会議だけでなく、社外のコミュニティや企業イベントなどから依頼が殺到。パラレルキャリアとして、大活躍しています。