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「アットホームな職場」がなぜ“ブラック”に感じるのか?居心地が悪い職場のワナ

学び

社内外に「ファン」を増やしていく働き方も

 この尊敬を軸にした連帯感や人間関係は、「ファン」と言い換えられるかもしれません。ファンになれる人を見つける。あるいは、自分のファンを増やしていく。この「ファン」という概念は、これからの仕事への向き合い方で大切なキーワードになります。

 社内だけでなく、社外にもファンをつくっていけば、パラレルキャリア(本業以外の活動を持つこと)や複業(複数の本業を持つこと)など、これからの時代に適した働き方にシフトしていけるようになります。

 少し話が先に行き過ぎましたが、いずれにせよ、こうした観点から見ても、「どういった職場で働くか?」が、とても重要になります

 今、いまいち仕事に前向きに取り組めない人は、いったん視野を広げてみてください。

周囲に誰か尊敬できる人がいないか見渡そう

職場

 身近な上司や同僚だけでなく、他部署の人間や上司のさらに上司など、少し遠い関係でも、誰か尊敬できる人がいないか見渡してみてください。取引先や協力企業など、社外に目を向けてもいいでしょう。どこかに、自分が好きになれる、尊敬できる仕事人が見つかるはずです。

 もし、それでも「尊敬できる人が誰も見つからない」のであれば、その職場を離れた方がよいかもしれません。その職場が、あなたの「well-being=よく生きる」ことに繋がるとは思えません。

 思考停止に陥って言われるままに働くのは自分の責任でもありますが、主体的に仕事に向き合えるきっかけや原動力となる「師匠」がいるかいないかは、職場次第。その意味で、やはり「職場が9割」なのです

【人間関係の軸は「尊敬」】
尊敬できる人、ファンになれる人がいるかいないかで、仕事への向き合い方は変わってくる。

<TEXT/沢渡あまね(ワークスタイル&組織開発専門家)>

1975年生まれ。作家/ワークスタイル&組織開発専門家。あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/浜松ワークスタイルLab所長/国内大手企業人事部門顧問ほか。『組織変革Lab』主宰、DX白書2023有識者委員など。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。著書に累計25万部の『問題地図』シリーズ(『職場の問題地図』『仕事の問題地図』『働き方の問題地図』など、いずれも技術評論社)をはじめ、『新時代を生き抜く越境思考』(同社)、『職場の科学』(文藝春秋)、『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)など多数

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