「お前は使えない」と睨まれたら…合わない上司と“正しい関係”を築くコツ
上司と部下にある「正しい関係」とは
このように師匠と弟子の関係とは異なり、上司と部下の関係ではリスクとリターンの天秤が成り立っていません。あるとすれば、リスクとリターンではなく、「部下の教育や管理」という上司の仕事と「上司の指導のもと仕事を覚えて実践していく」という部下の仕事があるだけです。
つまり、上司と部下、それぞれに会社から与えられた仕事があるだけで、そこには厳密に言えば、上下関係などありません。
にもかかわらず、師匠と弟子に近い上下関係を強いる職場があるとしたら、それは不健全ではないでしょうか。そんな職場でモチベーションや生産性を上げろと言われても、無理な話です。
単なる会社組織上のポジションに過ぎない
「上司=師匠」ではありません。人間関係が選べない以上、合わない上司がいるのは当たり前ですし、上司が優れているとは限りません。単なる会社組織上のポジションに過ぎません。
このことを理解していないと、合わない上司と密接な距離感で仕事をしなければならなくなった時、激しいストレスを抱えてしまいます。
「お前は使えない」「無能なヤツだ」。口に出す出さないは別にして、ソリの合わない上司にそう睨(にら)まれたとしても、自分のせいだと落ち込まないでください。能力や責任以上に、その上司とソリが合わなかっただけ。その可能性は大いにあります。
【選びようのない人間関係】
上司は師匠ではない。合わなくても当たり前。人間関係で「自分のせい」と悩まない。
<TEXT/沢渡あまね(ワークスタイル&組織開発専門家)>