棒読みでも、滑舌が悪くても「プレゼン上手な人」がやってる話し方のコツ
人が言葉や話し方“だけ”で動くことはあり得ない――。ならば、仕事や恋愛で、相手を思い通りに動かすためにはどうしたらいいか? その人が置かれた立場や環境などのシチュエーションが一定の条件を満たさない限り、「人が他人の言葉で動くのはあり得ません」と語るのは、経済評論家の上念司氏(@smith796000)。
著書『論破力より伝達力』でも、伝える努力の大切さを語っている。今回の記事では、いますぐできる話し方の4つのテクニックを紹介する(以下、同書より一部編集のうえ抜粋)。
話し方のテクニック:ゆっくりしゃべる
弁論がうまい人は滑舌がよい印象があるせいか、「滑舌をよくするにはどうすればいいですか?」と聞かれることがあります。ただ、身も蓋もない回答で申し訳ありませんが、滑舌が悪い人は、滑舌をよくすることは諦めたほうがいいでしょう。なぜなら、滑舌の改善は、自力ではどうにもならないからです。
対策としておすすめなのが、ゆっくりしゃべることです。最悪、棒読みでもかまいません。抑揚もいりません。とにかくゆっくりしゃべりましょう。流暢に話せなかったとしても、「相手と会話ができないほどに、滑舌が悪い」という人はそうそう存在しません。
ゆっくり話せば、あなたが何を言っているのかは、最低限伝わります。繰り返しになりますが、大切なのは相手が納得せざるを得ないセッティング(大義名分など)です。テクニックは二の次ですから。
テクニック②:話しかけるようにしゃべる
プレゼン上手な人の話し方などを見ると、早口で流暢な人が多いです。「あんなふうになりたい」とマネしたくなる人もいるでしょう。他人を参考にするのはいいですが、正直、他人をマネしても仕方がありません。たとえば、私自身は滑舌がよいので早口ですが、滑舌が悪い人は早口にせず、常識的なスピードで話したほうが伝わりやすいはずです。
私が所属していた弁論部・辞達学会は、「子曰く辞は達せんのみ」という論語の言葉にちなんで名づけられています。この言葉の意味するものは、「言葉は伝わればいい」。
誰かのしゃべり方をマネすることで、相手に言葉がより伝わりやすくなるならば、マネすべきかもしれません。でも、他人のマネをしても、実際はそんなにうまくいきません。自分のペースでしゃべったほうが、伝わりやすいことが往々にしてあります。