急増中のSNS「お金を配り」アカウントをRTした人の末路。投稿文に“危険な兆候”が
郵送したキャッシュカードの行方は…
相手にカードを送ってしまうと、口座が不正利用される運命にあります。先の女性は、銀行から「あなたの口座が犯罪行為に使われている可能性があるので、確認させほしい。連絡がない場合は、解約させていただきます」と書かれた封書が来て、初めてことの重大さに気が付いたそうです。
ネットバンキングで口座履歴を確認してみると、不自然な振り込みが100万円ほどあり、すぐに引き出されていました。もちろん、相手に送ったカードが戻ってくることはありません。
つまり、この口座は詐欺グループに利用されてしまっていたのです。今、「あなたは保険料を払いすぎているの戻したい」といった理由でATMに誘導して、逆にお金を振り込ませてしまう還付金詐欺が横行しています。今回の手口では、送ったカードの口座が本人が気づかないうちに、詐欺口座として利用されてしまうのです。
振り込め詐欺グループの一員に…
<「振り込め詐欺組織では、全体を統括する「指南役(統括役)」がいて、詐欺の電話をかける「かけ子」がおり、さらに現金を被害者宅に取りに行く「受け子」がいます。今は、キャッシュカードをだましとることも多いので、ATMからお金を引き出す「出し子」もいます。それぞれがしっかりとその役割分担を果たすことで、振り込め詐欺組織は、多額のお金集めることができます」>
(『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』清談社Publico、より引用)
まさにお金配りの書き込みに応募した人は、期せずして、「出し子」に不正口座を提供する、振り込め詐欺グループの一員となってしまうのです。「お金の入っていない空の口座のキャッシュカードだから、詐欺には遭うことはないだろう」……そう思った人もいるかもしれませんが、間違いです。
自分が使う目的以外で、第三者に銀行口座を開設して、他人にカードを譲渡することは、犯罪収益移転防止法に問われます。資金調達に応じた人たちは等しく、詐欺の共犯の容疑をかけられて警察の捜査を受けています。加害者の側にまわらないためにも、安易にお金配りのアカウントをフォローやRTはしないことをおすすめします。
<TEXT/悪徳商法評論家 多田文明>