“悪質運転”の増加で、自転車の取締り強化へ。知らずに捕まる「違反ポイント」も
有名人が捕まることで世論が動く?
――実行性はなくても、自転車事故が増加しているから警鐘は鳴らしているということですね。
疋田:ただ今回は、プラスアルファの事情もいくつかあります。まず今、フル電動自転車が流行っていますね。方向指示器やバックミラーがついていなくて、ナンバープレートもないものに乗っている人をよく見かけるようになりました。しかし、ナンバーのないフル電動自転車は、公道を走ること自体が違反なんです。しかも、スロットルを回すだけでかなりの速度が出るのに、自転車のように使う人がほとんどで、非常に危ないです。
――では、一気に取り締まることも目的なんですね。
疋田:一気にというより、これは邪推かもしれませんが、最初に“有名人”が摘発されるんじゃないかと思いますよ。
――どういうことですか?
疋田:10年くらい前に、ノーブレーキピストという自転車が流行したことがあったんですが、固定ギアでブレーキ無し、坂道で停まれず事故が多発したんです。そこで警察は、当時それなりに知名度があった若手芸人を捕まえたんですよ。これがワイドショーやニュースでたくさん取り上げられて、世論が「こんな自転車はいかん!」という流れになり、ブームが急激に終わって事故も減りました。恐らく同じ流れになると予想しています。
大人もヘルメット着用が努力義務化
――プラスアルファの事情は他にもありますか?
疋田:都内を中心に、電動キックボードをたくさん見かけるようになりましたね。気軽にレンタルできるお店も増えています。港区や渋谷区などでは、ナンバープレートをつけて20km未満で走れば、ヘルメット不要で走れるようになっており、これはまあ問題は少ないんです。
しかし、ネット上にはナンバープレートもつけていないし、あっという間に時速40kmくらいでるようなものがたくさん売っているんですよ。非常に危険なので、警察はこれを今後取り締まろうとしています。
――私も歩道でぶつかりそうになって怖い思いをしたことがあります。
疋田:他には、ヘルメットに関することです。今後、子乗せ自転車では子供だけでなく、「親もヘルメットをかぶりましょう」と努力義務化されます。2023年4月からは、自転車に乗っている警察官もヘルメットをかぶるようにするという話です。