競馬会社からIT企業へ。コロナ禍でも東京都競馬が「売り上げ絶好調」の理由
2012年に37.5万人だった加入者数が…
競馬のインターネット投票システムは、JRAネット投票などいくつか種類がありますが、東京都競馬のSPAT4は圧倒的なシェアを獲得しています。
コロナ禍で2020年の在宅投票(インターネット投票)が前年の1.5倍となる846億4600万円まで膨らみました。馬券の92.9%がインターネットを通して購入されています。
種類別に見ると、SPAT4はインターネット投票の62.9%を占めています。すべての購入額全体の58.4%がSPAT4。川崎競馬の馬券のおよそ6割という主力の販売チャネルになっているのがわかります。
利用者数を伸ばした背景として、JRAネット投票が地方競馬のすべての開催日をカバーできないという課題を抱えていたため、SPAT4がその受け皿となったことがあります。2012年に37.5万人だった加入者数は、2018年に60万人まで増加。そこにコロナ禍が重なり、2020年に80万人まで増えました。
9割以上がインターネットで馬券を購入
東京都競馬の公営競技セグメントは、2022年12月期第3四半期の売上高が191億7200万円でした。そのうちの9割がSPAT4の稼ぎです。
東京都競馬の収益はインターネット投票システムに依存しており、地方競馬がどれだけ競馬ファンから資金を集められるかどうかが、成長のカギを握っています。
農林水産省によると、地方競馬の売得金は2011年の3314億円で底打ち反転し、2021年は9933億円まで上昇しました。2020年からは巣ごもり特需や人気ゲームの影響を背景に、急速に数字を伸ばしています。空前の競馬ブームが起こっているのです。