主演作で“初まわし”を締めた俳優・葉山奨之26歳を直撃「すごく神聖な感じがした」
とにかく自分がワクワクすることを
――スタッフさんを含めて、影響を受けた言動を教えてください。
葉山:今回、ベテランのスタッフが多かったのですが、その中でもカメラマンの柳島克己さん(『キッズ・リターン』『GO』『カイジ 人生逆転ゲーム』『真夏の方程式』など)は、日本映画界の巨匠クラスの方なんです。僕は映画が大好きで、柳島さんにいつか自分を撮ってもらいたいとずっと思ってきましたが、今回一緒できてすごく嬉しかったです。
僕よりかなり年上の方ですが、「奨之、奨之」とすごく可愛がっていただいて、クランクアップしてからもお声掛けいただいています。ふたりでご飯に行く機会があって、僕が今後のことについて話していたら、ジミーさん(柳島さんの愛称)が、「とにかく自分がワクワクすることを大事にしろ」とおっしゃったんです。
――自分がワクワクすることを。
葉山:それは、僕がもともと大事にしたいと思ってきたことでした。でも時間が経つにつれて、どこかで気持ちが薄れてきていた部分がありました。それを今回の『シコふんじゃった!』で改めて思い出させていただき、何十年もこの業界で、現役で活躍されているジミーさんが、その精神を忘れずにやられているのを知って、「やっぱりすごいな、かっこいいな」とすごく思ったんです。
「いろんな人に出会って、いろんなことを教えてもらうけれど、そのなかでも自分がワクワクすることを大切にしたほうがいい。『どんなことにワクワクするの?』と聞かれて、『自分はこういうことにワクワクします』と答えられるようになったほうがいい」と教えてもらいました。
新鮮さを保ったまま10話を撮影
――自分を、特にポジティブな面から知っていたほうがいいと。
葉山:仕事だけじゃなく、プライベートを含めて、自分は何をしたり考えたりしているときが楽しいのか。それを大切にすることを忘れずに、自分を見直して、知る時間を大切にしたほうがいいと、教えていただきました。
――それで葉山さんは現在もポジティブな意味で壁にぶつかって悩んでいるんですね。今後もますます期待しています。最後に作品についてお願いします。
葉山:ドラマは10話あります。クランクインした時点では、2話までの脚本でスタートしました。それが僕にとっては逆によくて、逆算で演技をするのではなく、新鮮さを保ったまま挑めました。それに現場の状態を見て、脚本を変えていただいた面もあります。ゲストの方も登場しますが、そこも詳しく知らなくて、僕もワクワクでした。みなさんも最後まで楽しんでもらえると思います。
<取材・文・撮影/望月ふみ ヘアメイク/越智めぐみ スタイリスト/本田博仁>