漫画アシスタントの過酷すぎる日々とは?話題のインディー作家が語る
恩師の言葉で新たな境地を切り拓く
──ある意味、漫画に打ち込める環境になった後、成果はいかがでしたか?
イマダ:それが、あんまり良くなかったですね(笑)。自分としては、面白いと思って、出版社に持ち込んでも、編集者の方は「うーん」みたいな反応で。それで、このままではいけないと思って、しっかり土山先生に意見をもらおうと思ったんです。
──どうすればもっと良くなるのか、意見をもらおうと。
イマダ:はい。それで先生が作品をじっくりと読んだあとに、「イマダくんは、なんで自分のことを描かないの?」って。当時は、浮浪者が相方を見つけてお笑いをめざすとか、普通の少女が豹変して暴れる話とか、自分とかけ離れた作品を描くことが多かったんですよ。それよりも、自分のことを描いたほうがいいよって。
『ヤンマガ』で奨励賞を獲得
──その意見は腑に落ちたんですか?
イマダ:そのときに、先生から「イマダくんは、今なにやってるの?」って質問されて、当時は郵便局で働いていたので、いろいろと仕事の話をしたら、「それ面白いよ! そんな話、誰も知らないよ」って言われて。よく考えてみたら、たしかに郵便局を題材にした漫画ってないなと思いまして。
──じゃあ、描いてみようと。
イマダ:それで、郵便局を題材にした漫画を描いて投稿したら、『週刊ヤングマガジン』で奨励賞をとれたんですよ(笑)。
──土山先生の言う通りだったんですね!
イマダ:やっぱり、身近なことを描くとリアルさも違うし、何より本気度が伝わるのかなって。それで、担当の編集者の方も付くようになって、いろいろとネームを描いて送るような日々になりました。